全商連第2回理事会決議|全国商工新聞

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 全国商工団体連合会は8月27日、第2回理事会を開き、次の決議を採択しました。

大軍拡・大増税阻止! インボイス中止、危機打開の全会員運動をすすめ班・支部強化で年間増勢に挑戦を

一、中小業者をめぐる動向

 「猛暑で電気代がたいへん」「ガソリンが1リットル180円を超えた」―物価高騰が収まりません。ロシアのウクライナ侵略による資源、エネルギー、食品の高騰に、超低金利政策による円安が拍車をかけています。
 政府に求められるのは、コロナ禍から続く不安と苦悩に寄り添い、暮らしと営業、雇用を支えるため、国民に支援の手を差し伸べることです。
 しかし、政府・与党は、5年間で軍事費43兆円を費やす「軍拡財源法」、血税で軍需企業を育成する「軍需産業支援法」を成立させるなど、戦前回帰の軍拡路線を暴走しています。平和も民主主義もかなぐり捨て、アメリカ言いなりの戦争する国づくり、監視・統制国家へと突き進む岸田政権と自民、公明両党はもちろん、悪法に賛成し、暴走を加速させる日本維新の会、国民民主党の責任は重大です。
 大軍拡と呼応して、個人の尊厳を踏みにじる税務調査や税金・保険料の徴収が強められています。政府税制調査会は課税強化に向けて、給与の後払いである退職金をはじめ、生活保護や給付型奨学金など生きることや学ぶ権利を保障する非課税給付まで検討対象に挙げています。配偶者・配偶者特別控除やデジタル化の推進とあわせて青色申告特別控除の見直しも盛り込みました。岸田首相は財界言いなりに、ガソリンや電気・ガス料金の高騰対策を縮小してきました。
 風評被害を懸念する8割の世論を無視し、東京電力福島原発の汚染水海洋放出を強行したことは言語道断です。
 一方、インボイスをはじめ、健康保険証廃止・マイナカード義務化や原発再開・汚染水海洋放出、畜産・酪農の破壊、難民・外国人を危険にさらす入管法改悪に反対する世論と運動が沸き起こりました。「未来に戦争はいらない」とデモをするなど青年が立ち上がっています。財界・アメリカ言いなりの悪政転換をめざす行動が広がっていることは希望です。
 「平和でこそ商売繁盛」「相談して助け合う」という民商の本領を発揮し、旺盛な相談活動に取り組み、仲間を増やして政治を変えることが求められます。共同を力に「安心して営業し、生活が保障される平和で民主的な社会」の実現へ展望を開きましょう。

二、要求運動の重点

 全国20数カ所でストップインボイス全国一揆(6月14日)を展開するなど、フリーランスとの連携が大きく発展しました。「インボイス制度実施中止・延期」の意見書採択運動では、834自治体(総数の46

6%)に請願・陳情が提出され、207の採択が確認されています。登録取り下げ・失効も急増し、1万件を超えています。
 税務相談停止命令制度(停止命令制度)阻止の運動では、税理士や弁護士、農民連や生活と健康を守る会など8団体との共同で、短期間に18万人分の署名を国会に提出し、今後に生かせる政府答弁を引き出しました。第21回税金問題研究集会を成功させ、納税者権利憲章の制定を求める機運を高めてきました。
 自治体懇談を進め、地方創生臨時交付金を活用した自治体独自の支援策をつくらせ、営業と生活を守ってきました。オンライン講座を連続開催し、商売の工夫や顧客確保の実践を交流してきました。民商・県連とも響き合い、商売交流の取り組みが広がっていることは重要です。

1、消費税減税・インボイス中止の運動を前面に

 世界104の国・地域で、物価高騰下の生活支援策として、付加価値税が減税されているように、政治が決断すれば消費税の減税は可能です。「景気を底から冷やす」「低所得者・小規模事業者ほど負担が重い」など消費税が持つ悪税の本質や代替財源があることなど、学習と宣伝を強めて署名を推進します。
 「10月実施はインボイスではなく、消費税5%への減税」の運動を、9月末まで貫きます。9月議会への請願・陳情をすべての民商・県連で取り組みます。
 インボイス中止をあきらめず、「インボイス登録する? しない?」リーフを活用し、網の目学習・相談会の計画を立て、会内外に知らせます。インボイス反対を貫く上でも、事業者の営業を守ることを最優先にした対応が大切です。免税、課税の双方で、特例や経過措置も学び合い、実額も交えながら交流し、実情に合った対策を選択できるようにします。
 10月に実施が強行された場合は、インボイス制度の廃止を求める新たな請願署名に取り組みます。4野党などによる「消費税5%減税・インボイス廃止」法案が、国会で継続審議となっています。早期廃止の足がかりとして、与野党に審議再開を働きかけます。

2、申告納税制度を擁護・発展させる運動を

 税務行政のデジタル化や新たな徴税攻勢に対して、プライバシー擁護を明記し、「生きることが優先する」「税制で商売をつぶすな」など憲法に基づく主権者意識を貫く「納税者の権利憲章」(第3次案)を力にたたかいます。国際的最低基準となった納税者の権利規定の創設を政府に迫り、不当な調査と徴収とのたたかいに生かします。第3次案の発表を機に開催するシンポジウムへの参加を強め、共同を広げます。
 停止命令制度をめぐる国会審議で「納税者同士で一般的知識を学び合うような取り組みを対象にするものではない」と答弁をさせました。停止命令を出すには、①脱税や不正還付の指南、②適正な納税義務の実現への重大な影響―という制約があり、弁明の機会を付与することも明らかにさせました。
 税理士法と基本通達は、無償でも税理士以外は「税務代理」「税務書類の作成」「税務相談」をしてはならないと定め(税理士の無償独占)、申告納税制度の発展を妨げています。停止命令制度は廃止し、税務書類の作成と税務相談は有償独占化するなど、税理士法改正へ共同を強めます。
 「自主計算パンフ」を活用して税金相談員を育て、納税者としての自覚を高め合い、自主計算・自主申告運動に磨きをかけます。

3、危機打開と自治体対策の強化を

 中小業者の実態と要求をつかみ、国・自治体に支援策の実施を提案し、活用を進めます。
 9月の中小商工業全国交流研究集会を契機に、業種別・問題別対策や商売を発展させる交流を県連や民商に根付かせ、商工交流会運動を広げます。
 コロナ対応特別融資の返済が本格化する中、既往債務の返済に行き詰まる「息切れ倒産」も増えています。金融相談を呼び掛けて、資金繰り支援を強めます。
 マイナンバーカードに健康保険証機能を持たせて現行の健康保険証を廃止することに、国民の7割が反対しています。マイナ保険証に未対応あるいは対応不能な場合、保険診療から排除される懸念もあります。地方議会への請願を共同で進め、保険証廃止を中止に追い込みます。大企業の利益のために個人のプライバシーを差し出すなど、マイナンバー制度の問題点を告発し、用途拡大をやめさせます。
 原発汚染水の海洋放出によって甚大な被害を引き起こした政府と東電の責任を追及し、損害の根絶と賠償を迫ります。
 全商連「国保提言・2022」を活用し、都道府県単位化の害悪を告発し、国保料・税の引き下げや減免制度の拡充に力を合わせます。
 全中連が主催する中小業者決起集会と省庁・国会議員要請(9月14日)にすべての組織が署名と要求を持ち寄ります。

4、平和と民主主義を守る運動を

 岸田首相が提唱したG7サミット「広島ビジョン」が核抑止論を正当化したことに、被爆地から批判と怒りの声が上がり、平和宣言で広島市長が「核抑止論は破たんしている」、同じく長崎市長が「核抑止への依存からの脱却を」と、訴えたことは重要です。アメリカ追随の核抑止論への固執をやめ、11月の核兵器禁止条約締約国会議へのオブザーバー参加と禁止条約の批准を政府に迫ります。
 アメリカの戦略に同調した、南西諸島に展開する自衛隊基地の増強・強靭化では、軍事的緊張を高めても、平和を守ることはできません。日本政府は、憲法に基づく平和外交を強め、軍事的衝突を避けるために力を尽くすべきです。鹿児島県で開催される日本平和大会(11月11~12日)を全国からの参加で成功させます。
 岸田政権は、内政でも外交でも行き詰まり、内閣支持率が続落しています。「安保3文書」に基づく大軍拡をはじめ、民意無視の暴走政治を止めるたたかいは、これからが本番です。悪政転換に向けて、市民と野党の共闘の再構築を支援します。岸田暴走政権を解散総選挙に追い込み、審判を下します。

三、組織建設の重点

 この間、民商・全商連の歴史的な歩みに確信を深めつつ、毎月の持続拡大での年間増勢に挑戦してきました。しかし、今年7月末までの1年間に、月別の全国増勢を実現したのは、読者が22年10月と11月、23年2月の3カ月、会員が23年2月のみでした。読者・会員と共に、共済加入者・婦人部員・青年部員の会勢でも前進を実現できていません。とりわけ、内外に民商の魅力を伝え、悪政転換にも不可欠である「読者前面の拡大」の弱まりをどう打開するかが急務の課題となっています。
 「民商・全商連の70年」の大学習運動を通じて、歴史的に「税の在り方と使い道」をただす世論と運動に貢献してきたことへの理解が広がっています。この秋から春に向けて、日常的な自主計算活動を推進し、暮らしと商売を支える施策を国と自治体に迫ることで、民商・全商連に対する会内外の信頼を高めることが大切です。
 すべての民商が第2次成長・発展目標を具体化し、全会の知恵と力を結集します。秋から来春の拡大で、全国的なうねりを作り出すために力を尽くしましょう。

1、相談活動広げ、減らさず増やす持続拡大を

 会内外の中小業者・フリーランスとの画期的な交流も生かし、インボイス早期廃止を求める新署名を1会員10人分の目標で推進します。同時に、班・支部活動を強め、会員の家族や商工新聞読者にも署名への賛同を丁寧に呼び掛けます。
 「目に見え、耳に届き、口コミやSNSで話題となる」多彩な宣伝を工夫し、読者前面の拡大に生かします。税制・税務行政で商売をつぶされないよう、学習・相談に磨きをかけ、自主計算活動を強めて、仲間を増やす力にします。打って出る取り組みを進め、「世直し・人助けの民商」を押し出します。
 すべての民商が21年の経済センサス調査に基づく自治体ごとの業種別・対象業者一覧を分析・討議します。「地域にどんな民商をつくるのか」を深め、決意新たに読者や会員で対象業者比の10%以上を組織する拡大に挑戦します。節目のある拡大目標と行動計画を決め、23年12月末での年間増勢と24年3月末での第55回総会時現勢突破をめざします。
 全国どこでも中小業者の苦悩に寄り添い、問題解決への助け合い相談を展開できるよう、空白を克服する拡大を追求します。2割強の残された市町村や特別区と併せ、政令市でも行政区ごとに班・支部建設をめざします。

2、商工新聞の活用と班・支部の再建強化を

 6月に4回目となる「商工新聞中心の活動と班・支部建設」全国交流会を開催しました。紙面紹介を通じて「商工新聞の魅力と役割」に確信を深めると共に、会員の活動参加と運動の世代的継承を進める取り組みとして、商工新聞中心の活動と班・支部建設への意欲が高まっています。
 商工新聞をよく読む活動を強め、機関会議でも紙面を紹介し合います。読者との結びつきとして、民商の企画を案内し、配達・集金の際に感想を聞き、困り事の相談などでも民商との結び付きを生かせるよう、購読継続を働きかけます。
 「仲間が増えてみんな笑顔」パンフを活用し、機関と班・支部での連携を生かした拡大の独自追求を推進する力にします。会員の結び付きを取り戻し、新会員歓迎学習会で「班・支部の仲間の見える化」を進めます。
 全商連は10月22日に、地方別の会長・事務局長会議を全国7カ所で同時開催します。情勢の大局をとらえ、民商の会長と事務局長の相互信頼も高めて、要求運動と組織建設を一体的に推進し、24年5月開催予定の第56回総会を全国的な増勢で迎えるための力にします。

3、青年・婦人・共済への支援と総合力の発揮を

 全青協は総会代議員や三役・幹事を35歳以下の業者青年や民商事務局員から選んでいます。青年間の交流促進へ年齢差に配慮し、より若い世代の業者青年に運動と組織の魅力を伝えていくためです。業者青年に魅力ある民商建設を進めるためには、青年部への支援と併せ、青年部OBなどの力も借りて、民商と青年部の「架け橋」となる青年対策部を確立することです。業者青年実態調査の結果を討議し、全青協の政府要請に確信を深められるようにして、全青協第48回総会(11月19日)を節目とした青年部員拡大を支援します。
 全婦協は2月に「国会懇談会と男女共同参画局要請」を、6月に「第18回全国業者婦人決起集会・国会行動」を成功させました。消費税減税・インボイス中止への世論と運動を喚起し、所得税法第56条の廃止や国保料・税の減免、ジェンダー平等を政府に迫りました。とりわけ、財務省が記帳水準と人権を天秤にかけ、56条廃止を拒む態度を許すことはできません。
 消費税インボイスにつぶされないよう、暮らしと営業の見直し運動が大切です。小企業・家族経営の得手を生かした自主計算運動を進め、婦人部員の拡大にも取り組めるよう、婦人部と民商の役員どうしの懇談も持ち、支援します。
 全商連共済会はコロナ対応で助け合い精神を発揮し、若い加入者にも共感と信頼を高めてきました。会員の共済加入が全国で80%を超えましたが、全会員加入に接近し、家族の加入を増やす取り組みを推進します。24年4月の全商連共済会・創立40周年へ「より民商らしい共済の在り方」を探求します。第14回いのちと健康を守る学習交流会(11月11~12日)を成功させ、県連や民商での集団健診や健康講座、社会保障改善への共同行動などに生かします。

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