軍拡と対立で高まる緊張 憲法を守り生かす運動に全力を|全国商工新聞

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 今年は戦後78年目です。第2次世界大戦は8千万人ともいわれる犠牲者を出しました。二度と惨禍を繰り返さないために、1945年10月に発効した国連憲章は武力行使を禁じ、「戦争違法化」を宣言しました。しかし現在、ロシアのウクライナ侵略と核威嚇、NATO(北大西洋条約機構)や日米同盟の拡大強化、朝鮮半島を巡る軍事対立など、軍拡と“核抑止”の政策が緊張と危険を高めています。
 日本を再び戦争する国につくり変えようとする危険な動きがあります。岸田政権は閣議決定した「安保3文書」(「国家安全保障戦略」「国家防衛戦略」「防衛力整備計画」)の具体化を進め、先の通常国会では軍拡財源確保法の成立を強行しました。自民党と公明党は密室協議で、憲法9条の下で堅持してきた「武器輸出三原則」を大転換し、殺傷能力のある武器輸出を解禁する方針を検討しています。
 安保3文書が描く軍拡は大規模で危険なものです。鹿児島から台湾周辺に至る南西諸島への敵基地攻撃のためのミサイル群の増強・配備、イージス艦発射のトマホークミサイルの導入など、こうした準備が進むほど日本は相手国からの「標的」となる危険性が高まります。
 軍備拡大で命と平和は守れません。もともと中小業者は、地域の経済と文化に根差す平和産業の担い手であり、人間を破壊し尽くす戦争とは相いれない存在です。民商・全商連は創立以来、「平和でこそ商売繁盛」を掲げ、大軍拡に道を開く消費税増税に反対し、改憲策動を許さない運動に力を合わせてきました。いまこそ、安保3文書の本質と問題点を明らかにする学習を強め「戦争する国づくり」を許さない運動を大きく広げることが求められています。
 8月4~9日、原水爆禁止世界大会は、国連や核兵器廃絶のために行動する諸国政府と連帯・共同し、世界の市民社会の運動を結集する場となります。全商連婦人部協議会が加盟する日本婦人団体連合会は8月19日、オンライン併用で「戦争はごめん女性のつどい」を開催します。
 今年の夏は、戦争と平和、そして憲法について大いに学び、平和憲法を守り生かす運動に全力を挙げましょう。

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