戦後最悪の通常国会が閉会 岸田政権の反民主姿勢あらわに|全国商工新聞

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 1月23日に召集された通常国会が、6月21日に閉会しました。コロナ禍に続く物価高騰が個人消費を冷え込ませていた会期中、求められたのは、営業と暮らしへの公的支援の継続でした。コロナ感染死が続き、高齢者や基礎疾患のある方の保護や感染拡大時の医療提供体制をどう整えるかも重要課題でした。戦争か平和かが鋭く問われ、戦争を未然に防ぐ平和外交が真剣に追求されるべき情勢でもありました。
 一方、岸田政権は昨年末、「専守防衛」を投げ捨てて敵基地攻撃を可能とする大軍拡や、原発の新増設と老朽原発の継続稼働など、国の根幹に関わる「大転換」を閣議で決め、この国会で政府提出の法案58本を成立させました。
 5年間で43兆円の大軍拡の財源を捻出する「軍拡財源法」、国民の血税で軍事大企業を育成する「軍需産業支援法」、原発回帰への大転換を進める「原発推進5法」、健康保険証を廃止してマイナンバーカードの取得を強要する「マイナンバー関連法改悪」、難民・外国人の命を危険にさらす「入管法改悪」など、悪法目白押しは「戦後最悪の国会」といわれるほどです。「聞く耳」どころか、国民多数の反対を押し切る政治姿勢をあらわにしました。信者の人格を破壊し、家族の生活を破綻に追い込む統一協会と自民党との癒着ぶりに、口をつぐみ続けたことも重大です。
 性的な差別や偏見の根絶に逆行する「LGBT理解増進法」や「原発推進5法」などが、維新、国民民主を加えた4党の賛成で成立しました。悪法の強行に手を貸した維新、国民民主両党の役割が際立ちました。
 一方、国民の粘り強い世論と運動の後押しで、不同意性交の加害者を断罪する改正刑法が、衆参両院の全会一致で可決・成立しています。マイナンバー関連法では、相次ぐトラブルを受け、問題解明と運用停止などを求めて、閉会中審査が行われます。10月1日に向けて、消費税5%の減税とインボイス実施中止を求める運動も、最大の山場を迎えます。
 憲法は、自由と権利は「国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない」とうたいます。私たちの運動は、その精神を文字通り生かす正念場を迎えます。

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