突然の税務調査、民商に入会し 納得の修正で調査終了 「民商に恩を返したい」|全国商工新聞

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 「民商に入ってなかったら、税務署に言いたいことも言えなかった」―。滋賀県東近江市内で猫のブリーダーを営む湖東民主商工会(民商)の菅原尚志さん、美香さん夫妻は税務調査をきっかけに民商に入会し、仲間の助けも得て納得の修正で乗り切りました。「もっと早く民商に入っていれば良かった。これからは民商に恩を返したい」と喜んでいます。

仲間の支援で税務調査を乗り切った菅原尚志さん(前列中央)と美香さん(その左)と民商の役員(画像一部加工)

 2022年7月、税務署員が自宅を突然訪れ、所得税と消費税で2019年から21年分の税務調査を告げられました。どう対応してよいか分からず、言われるがまま書類を持ち帰られましたが、納得のできないことばかり。美香さんの父親が入会していた民商を思い出し、わらにもすがる思いで民商に相談、入会しました。
 民商は早速、税務調査対策会議を開催。伊藤常吉会長=内装工事=や藤関福樹税金対策部長=建築、八日市西支部役員の北口晴樹さん=塗装=から経験を聞き、納税者の権利を学びました。記帳の曖昧さにも気付き、仲間のサポートや、山本弘美婦人部長=自動車修理=の協力を得て領収書やレシートの整理などを徹底的にチェックしました。菅原さんは「納得いくまで説明し、対策も一緒に考えてくれて驚きました」。
 今年2月の4回目の調査で修正税額が提示されたものの、担当署員から「申告期になるので一時中断させてほしい」との申し出があり、延期に。4月14日に再開され、支部を中心に17人が立ち会いました。ところが税務署員は「22年度分も調査させてもらいます。協力を得られない状況が続くなら、更正処分の手続きに移ろうという話も上席と出ている」と恫喝まがいに発言。
 調査期間を変更し、非協力的と決めつける乱暴な発言に「22年は、なぜ必要なのか。なぜ調査範囲が増えるのか」と問いただしましたが、「全部提示してくれるなら、夜中までかけてもやります」と繰り返しました。納得できない菅原さん夫妻は、藤関税対部長、伊藤会長ら7人で税務署へ要請しました。
 署側は「担当署員は代えられないが、署に来て調査を受ければ、総務課長も近くにいるし、対応する」。菅原さんは「仲間と調査を受けたい」と主張し認めさせました。
 美香さんは「悔しくて泣きそうになりましたが、皆さんが背中を押してくれたので、勇気に変わった。民商に入ってなかったら、言いたいことも言えなかったと思う」。
 5月16日、納得のいく修正で調査を終えた菅原さん夫妻は民商事務所を訪れ、「税務署で納付を済ませ、無事に終わりました」と、藤関税対部長や伊藤会長などに笑顔で報告。「『これは経費として認められない』『あれも駄目、これも駄目』と、何もかも否定されてどうしよう…と思った。民商でいろんな経験や知識を学んで、“安心して暮らせる額”で終わって良かった」と一安心していました。
 美香さんは「諦めず頑張った経験を、次に困っている人に伝えたいし、微力ながらも力になりたい。インボイスで悩んでいる業者が多いし、税金相談を罰する動きもある。黙っていれば、商売や生活がつぶされてしまう。民商でいろいろなことが学べて楽しい。業者婦人決起集会にも参加して、みんなの声を国会に届けてきた。署名や拡大に協力してくれる人を増やすなど、これから民商に恩を返したい」と笑顔で語っています。

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