SNSで認知アップ 「中の人」の個性を伝え 全商連 第4回経営交流会開催|全国商工新聞

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 「消費者に認知されなければ、市場に存在しないのと同じ。まずはSNSをやってみて、商売を知ってもらおう」―。全国商工団体連合会(全商連)は4月26日、第4回オンライン経営対策交流会を開き、251カ所で視聴されました。テーマは「SNSを生かして商売を伸ばそう!」。民主商工会(民商)会員3人の事例を交流し、昨年9月の業者青年交流会の分科会が好評だった「(株)be love company(ビー ラブ カンパニー)」代表取締役の西良旺子さんが学習講演を行いました。

最初は娘に丸投げ

岐阜北民商 松岡 三治さん=菓子梱包・製造・小売り

松岡さん

 「SNSを始めたくなる魔法をかけに来ました!」とスティックを持ちノリノリで切り出したのは、「大安(株)」を営む岐阜北民商の松岡三治さん=菓子梱包・製造・小売り。2019年、梱包工程で出る規格外の菓子を販売する「大安あられや」をオープン。民商に相談し、獲得した補助金で設備投資して作れるようになった、みたらし団子も人気です。「チラシ作るなら、インスタやればいいやん」の娘の一言でインスタグラムを始め、いろんな人とつながり、売り上げが増えた経験を語りました。
 「SNSは“24時間365日の井戸端会議”」「最初は娘に丸投げしたのが成功のきっかけ。『助けて力』も大事」と強調。「SNSは『習うより慣れろ』。フォロワーが多い人の投稿をまねたり、見ている人を行動に移させるストーリーを重視して」と話しました。
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動画は拡散力高い

兵庫・須磨民商 冨成 雄一さん=管工事・家具製造

冨成さん

 「冨成工業所」を営む兵庫・須磨民商の冨成雄一さんは20年、コロナ禍で溶接加工の仕事が減り、下請けから脱却しようと木工を学び、家具を製造販売することに。「僕自身、食べ物屋を必ずインスタで検索するから、インスタ一択だった」と述べ、ビジネスアカウントを取得し、インスタで商品を購入できるようにしました。
 「『やらないと何も変わらない』と決意し、ガンガン投稿している。失敗しても消せばいい。『1日1投稿が仕事』と割り切れば、更新を怠ることもない」「『ものづくりの現場を見てほしい』との思いもある。動画の方が拡散されやすく、昨晩上げた家具製作動画は1万回再生された」と述べました。
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カレー好きが高じ

熊本民商 村田 圭祐さん=寝具専門店

村田さん

 「インスタは名刺みたいなもの」と語るのは、熊本民商の村田圭祐さん。「Sleeping Life MURATA(スリーピング ライフ ムラタ)」は、睡眠の質にこだわる寝具の専門店です。「ブランド力を高めよう」と2012年から、アウトドア素材で作った寝具や布団の洗濯の告知、大好きなカレーの食べ歩きなどを発信しています。
 「ダイレクトメッセージ(DM)を使えば、お客と直接やりとりができ、配達時間などスケジュール管理がしやすい。エリア指定の広告も打てる」と、便利な機能を紹介。
 インスタを見て、見ず知らずの長野の宿泊施設から「アウトドアの寝具の提案を」と依頼があったことや、カレー好きが高じてレトルトカレーを販売したら、テレビ局に取材されたと報告しました。
村田さんのインスタグラムはこちら>>

恥ずかしがらず信頼を積み上げ

西良旺子さん 学習講演

西さん

 西さんは、3人に共通するのは「『まずやってみた』こと。投稿を続けて、創意工夫を重ねられるようになった」と指摘。「どんなものでも、まずはSNSで調べられる時代。発信を続け、認知度を高めよう」「人が物を買うのだから、SNSの『中の人』の個性を感じさせる投稿が大切。自分の気持ちを一言入れたり、商品写真に手を入れると、人を感じる。手のひらにテレビ局を持っていると考え、恥ずかしがらず、自分の信頼を積み上げてほしい」と呼び掛けました。

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 全商連には後日、「インスタを始めてみようと思う」「自分の個性を出した投稿が大切と分かった」などの感想が寄せられました。

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