77回目の終戦記念日 戦争と平和、憲法を学ぶ機会に|全国商工新聞

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 間もなく、77回目の終戦記念日を迎えます。
 今年は、ロシアによるウクライナ侵略という蛮行を奇貨として、軍事費2倍化や日米同盟の強化、9条改憲の早期実現が叫ばれ、「平和憲法」と呼ばれる日本国憲法について、改めて多くの人が考える夏となっています。
 例年、テレビ番組を中心に、広島へ原爆が投下された8月6日から8月15日までの間、終戦記念日特集の報道が続きます。それらの多くは、日本における戦争の惨劇を中心に企画されています。
 しかし日本は、歴史の事実として、朝鮮併合や満州国建設、さらには真珠湾攻撃等、他国への侵略を行った戦争の加害国でもあるということも忘れてはいけません。
 第2次世界大戦による犠牲者数は、4千万~8千万人とされています。アメリカによる広島・長崎への原爆により、現在も被爆者の健康被害や援護など、多くの課題は残されていますが、戦争を引き起こした日本の責任は、とてつもなく重いことは明らかです。
 日本国憲法は、その前文で「…政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起こることのないやうにすることを決意し、…」とし、さらに9条で戦争放棄、戦力および交戦権の否認を掲げました。この憲法を策定し、国際社会への復帰を果たしたのです。
 参議院選挙の結果を受け、岸田首相は、「改憲発議案をまとめる努力に集中したい」としていますが、選挙後の世論調査では「改憲を急ぐ必要はない」との回答の方が上回っています。選挙結果を盾に憲法を改悪し、敵基地攻撃や大軍拡に突き進むことは許されません。
 憲法改正に執念を持っていた安倍元首相を礼賛する「国葬」の実施自体も憲法違反そのものです。
 憲法改正が必要と主張する人の中には、気候変動の問題や、新型コロナウイルス対応を掲げている方もいます。しかし、これらの新しい課題についても、現行の憲法で十分に対応できるはずです。
 今年の夏は、戦争と平和、そして憲法について大いに学び、憲法署名を集めながら、平和憲法を守り生かす運動に全力を挙げましょう。

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