払えない国保料・税 各地で「集団減免申請」や「減免学習会」に取り組み|全国商工新聞

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 2022年度の国民健康保険(国保)料・税の納付書が被保険者に届き、「国保料が予想以上に上がっていて驚いた」「高くて払えない」と悲鳴が上がっています。各地の民主商工会(民商)は「一人で悩まないで」と声を掛け、国保の「減免学習会」や「集団減免申請」に取り組んでいます。

神奈川・湘南民商 藤沢市への申請で 4万6千円の減額に

湘南民商の国保集団減免申請

 神奈川・湘南民商は先ごろ、国保料の集団減免申請を実施。中華料理店、カラオケスナックの会員2人が藤沢市保険年金課に減免申請書を提出しました。申請書に目を通した職員が「2人とも大丈夫でしょう」と述べ、「6月分は納付していただき、7月分から適用されるでしょう」と返答。「12万3660円が7万7820円に減額できて、本当に助かった。集団申請に参加して良かった」「学習会でいろいろ教わっていたので、スムーズに申請できた」とホッとした表情を見せました。
 民商は減免申請に先立ち、「国保減免学習会」を開催。「昨年は、県のコロナ支援金のおかげで商売を続けてこられたが、いまだにお客が戻らず、大変な状況だ。学習会に参加したい」などと5人が参加しました。市議(共産)で藤沢市社会保障推進協議会の土屋俊則幹事から、コロナ特例減免、通常の減免制度の要件や減免割合などを教わり、持参した昨年度の確定申告書や所得の分かる資料で試算。要件に該当した会員は、土屋市議が用意した申請書に記入し、集団減免申請への参加を約束していました。

名古屋北部民商 「積極的に申請しよう」 飲食業向け学習会

名古屋北部民商の「予定納税減額申請&国保減免学習会」

 名古屋北部民商は先ごろ、飲食業の会員向けに「予定納税減額申請&国保減免学習会」を開催し、13人が参加しました。
 国保減免の講師を務めた松原裕子事務局長は「名古屋市の『所得激減の区分』で申請しましょう」と述べ、コロナ特例減免との違いを説明。「後期高齢者医療保険も、所得激減や事業の休止・廃止の要件で減免が適用されるので、積極的に申請を」と呼び掛け、「これに該当しない場合も、他の区分の減免要件もあるので、諦めないで民商に相談を」と締めくくりました。早速、7月12日にKさん=カラオケ居酒屋=が国保減免を、Aさん=居酒屋=が後期高齢者医療保険の減免を申請しました。
 前出の名古屋市の「所得激減」の要件は、①2021年中の所得が1千万円以下②申請月の属する年の見込み所得が274万円以下③申請月の属する年の見込み所得が21年中の所得の10分の8以下に減少する―世帯で、所得割額が3~7割減免されます。それ以外にも、世帯単位で判定する減免制度に「特別軽減」「2割減免」などがあり、個人単位で判定する減免制度には、障害者やひとり親、高齢者が対象の「3割減免」などがあります。いずれも申請が必要です。

大阪・摂津民商 会員は民商で申請書に記入 コツコツ続けて自信 自主記帳・自主計算を力に

「国保の減免を活用せんとな」と話し、自主記帳に励んでいます

 大阪府摂津市内で建築工事を営む摂津民商の植田信二さん(仮名)はこのほど、自主記帳・自主計算を力に国保料の減免申請書を書き上げました。「コロナ禍や雨天の影響で仕事が不安定な中、高い国保料の納付が大変だ。減免制度があるなら、有効に活用せんとな」と話し、減免申請に挑戦しました。
 6月中旬に民商を訪れた植田さんは「この前、国保料の決定通知書が届いたけど、高いな」とこぼし、「減免したいんやけど何が必要なん?」と相談。まずは、要件に該当するか試算することになり、昨年度の売り上げと、申請前月までの月間売り上げを比較することに。今年の集計が済んでいなかった植田さんは、領収書を仕分け、持参したノートパソコンのエクセル会計に入力しました。「家でやると、勘定科目が分からんくなったり、疲れて進まないことが多いねん。民商でやると集中できるし、分からんとこも聞きながらできるから、はかどるわ」と話しながら、テキパキと作業。当月までの収支計算を終え、昨年の売り上げと比較すると、コロナ特例減免要件に該当することが分かり、早速、申請書に記入しました。
 「窓口に申請するのは緊張するから、郵送で申請できるのは、ありがたい。コツコツと自主計算をやっていたら、事業資金の流れもつかみやすいし、減免申請の要件も簡単に確認できるね」と、自信たっぷりに申請書を郵送しました。

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