軍事費5兆円やめると… 消費税8%に戻し、インボイス廃止にできる|全国商工新聞

全国商工新聞

 岸田文雄首相が総裁を務める自民党は参院選公約で、「NATO(北大西洋条約機構)の国防予算の対GDP(国内総生産)比目標(2%以上)も念頭」に「5年以内に防衛力の抜本的強化」の達成を目指すと明記。高市早苗政調会長は「必要なものを積み上げれば、10兆円規模になる」と言明し、財源については「短期的には国債発行になる」と述べました(6月12日、フジテレビ番組)。
 2022年度の軍事費(当初予算)はGDP比1%程度の約5兆4千億円。2%以上への増額には5兆円規模の新たな財源が必要です。
 5兆円規模の財源を、長引くコロナ禍と原材料高に苦しむ中小業者支援や暮らしに回せば、どんなことができるのか、試算してみました(図)。

 中小業者が切望する消費税減税とインボイス中止では、消費税の税率を8%に戻せ、インボイスは廃止にできます。
 法人200万円、個人100万円で一息つけた持続化給付金に回せば、再実施が可能です。
 医療に回せば、医療費の窓口負担(1~3割負担)をゼロに。国民健康保険(国保)に回せば、加入者1人当たり2万3千円の引き下げができます。
 年金に回せば、受給者全員に月額1万円、年間12万円の上乗せが可能。
 子育て・教育に回せば、大学の授業料を無償化し、児童手当を高校まで延長して所得制限を撤廃した上に、小・中学校の給食を完全無償化できます。
 「消費税12%、医療費6割負担…防衛費5兆円増で生活苦の未来」と題した特集記事を掲載した「女性自身」(6月28日号)は「上昇し続ける物価、上がらない賃金。国民の生活を第一に考えるのならば、軍備拡張よりも優先すべきことがあるだろう」と結びましたが、まさにその通りではないでしょうか。

購読お申込みはこちらから購読お申込みはこちらから