国保コロナ特例減免 民商の学習会で申請 35万円が還付|全国商工新聞

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 「国民健康保険(国保)のコロナ特例減免が適用され、35万5400円が還付された!民商の学習会に参加し、減免申請をして本当に良かった」―。こう喜ぶのは、岩手・一関民主商工会(民商)のSさん=建築内装。
 コロナ禍で内装の受注が減っているところに、外国から資材が入ってこなくなり、工事が先延ばしされ、危機感を募らせていました。「散々な状況だ。何とかしなければ…」と、昨年11月に開かれた民商の「コロナ減免学習会」に参加し、2020年と21年の収入を比較したところ、30%以上減収していることが判明。コロナ特例減免の要件に当てはまり、納付した国保税が還付される可能性があると事務局員から指摘されました。
 「一度納めた税金が戻ってくるなんてことが、本当にあるのかな?」と半信半疑だったSさんは、事務局員に励まされながら「まずは、やってみよう」と申請書を作成。1月に国保税と介護保険料の減免申請書を一関市税務課に郵送しました。
 2月25日、介護保険料の「減免承認決定書」が届き、9万4800円の減額(8割減免)が実現。さらに、3月16日には国保税の「過誤納金還付通知書」が届き、28万300円(8割減免)が減額されました。合計37万5100円が減額され、すでに納付していた35万5400円が還付されることが分かりました。
 Sさんは「この制度を活用すれば、多くの業者が助かるのに、市の周知不足で、まだまだ知られていない。市は積極的に活用を勧めてほしい」と話します。
 新型コロナウイルスの感染者数が急増した昨年、市が業者向けに創設した支援制度は「家賃補助」だけでした。無利子融資制度や感染対策リフォーム補助金など、既存の制度は相次いで打ち切られ、「売り上げが減少した分をどう補えばいいか」と民商に多くの相談が寄せられていました。
 民商は、Sさんの国保税還付のケースを紹介しながら、「地方創生臨時交付金も使って、事業者がより活用しやすい制度になるよう、市に要請しよう」と話し合っています。

国保のコロナ特例減免

 新型コロナウイルス感染の影響により収入が減少した国保加入者の22年度分の国保料・税を減免する制度です。
 対象となるのは、主たる生計維持者の収入(事業、不動産、山林、給与)の減少が見込まれ、①事業収入などが、前年の30%以上減収②前年の合計所得金額が1千万円以下③事業収入等以外の前年の所得合計額が400万円以下―の全てに該当する世帯です。
 国保料・税減免の割合は、前年の合計所得金額が、300万円以下で100%、400万円以下で80%、550万円以下で60%、750万円以下で40%、1千万円以下で20%―減額されます。
※主たる生計維持の事業等の廃止や失業の場合は、前年の合計所得金額にかかわらず、全額免除されます
※新型コロナウイルス感染症により、主たる生計維持者が死亡、重篤な疾病を負った世帯は、全額免除されます。

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