経済安全保障法が審議入り 「戦争する国づくり」に反対を|全国商工新聞

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 岸田文雄内閣が今国会で成立をめざす経済安全保障推進法案の審議が始まりました。岸田首相が「新しい資本主義の重要な柱」「成長のエンジンの一つ」と位置付け、最重要とする法案は、経済や科学技術の国家統制を強める危険があります。
 法案は四つの柱から成っています。①供給網の強靭か 化、②基幹インフラの安全確保、③官民の技術協力、④機微な技術の特許非公開―です。しかし、運用の多くは政省令に委ねられ、そもそも「経済安全保障」の定義が示されていません。
 電気、ガス、金融など基幹インフラを担う企業は、設備や業務委託の事前届け出が義務付けられます。下請けとなる中小企業も監視の対象となる懸念があります。
 海外依存度の高い「特定重要物質」を指定し、企業に供給網の報告を義務付ける一方、こうした企業には助成金などの支援を与えます。岸田政権は、熊本県に工場を新設する台湾の大手半導体メーカーTSMCに約5千億円という補助金を決めています。当初の投資額8千億円を9800億円に増加し、投資額の2分の1を補助するため補助金が約1千億円も跳ね上がりました。本年度の中小企業予算1713億円の約3倍ともなる破格の支援には、疑問の声が上がっています。
 危険なのは、官民技術協力として、政府と大企業が一体となって軍民共用技術(デュアルユース)の開発を進め、同時に特許に統制をかけ、「秘密特許制度」の導入をしようとしていることです。
 日本の特許の公開原則は、戦前、軍と産業界が一体となって軍事技術を開発した反省から導き出されたものです。
 経済安全保障は、軍事・外交・経済・科学技術などを、日米安保体制のもとで「戦争する国」づくりへ集中する戦略です。
 日本が戦争の惨禍から立ち直り、世界屈指の経済的な発展を遂げたのは、憲法9条の下で、国際的な信頼を得てきたからではないでしょうか。
 「平和でこそ商売繁盛」は、民商・全商連の信条であり、商売人の思いです。戦前の日本がたどった道を繰り返してはなりません。世界の平和に貢献する政治を求め、法案に反対の声を上げましょう。

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