全国商工新聞

宿泊飲食引き続き危機的

 「コロナ禍で売り上げ・利益は低迷。仕入れ値の著しい上昇で経営ひっ迫の懸念」―。全商連付属・中小商工業研究所は10月18日、「2021年下期(9月)営業動向調査」速報を発表しました。

 21年下期調査の実施時期(8月19日~9月18日)は、国内での新型コロナウイルス感染症が広がり、4度目の緊急事態宣言が発令されていた時期と重なります。「総合経営判断」DI値(「良い」と回答した企業割合から「悪い」と回答した企業割合を差し引いた数値)は▲61.2、「売り上げ」▲54.4、「利益」▲56.5と、各DI値は低迷したままです。宿泊・飲食業の「売り上げ」「利益」の両DI値は、▲90台が3期連続となるなど危機的状況です。

消費低迷下での原料高騰は深刻

 このような経営指標の中で、今期調査の大きな特徴は、原材料等の仕入れ値が著しく上昇していることです。原材料価格の高騰の背景には、新型コロナウイルスの感染を抑え込んだとされる米国や中国における需要の増加の影響が指摘されています。足元でも、原油相場高に伴うガソリンや灯油の高騰が続いており、モニターの「ひとこと」にも表れています。
 消費低迷下での仕入れ値の著しい上昇は今後、中小企業の経営に大きな打撃を与える可能性があり、「緊急的に求められる支援策は、持続化給付金と家賃支援給付金の再給付である」と強調します。
 今調査では、10月1日から税務署での登録申請の受け付けが始まった、消費税のインボイス制度(適格請求書)が、2年後の2023年10月に実施された場合、中小商工業者の経営にどのような影響を及ぼすかを質問しています。

インボイス実施「廃業検討」3割

 インボイス制度の登録申請について「申請せざるを得ない」が15.1%、「申請しない」が45.7%、「迷っている」が39.3%でした。課税業者の約3割が「免税業者に課税業者になってもらうよう要請しなければならなくなる」と答え、免税業者の4割強が「取引先から課税業者になるよう要請され、消費税負担が増える」と答えています。「廃業を検討する」と答えた免税業者は28%に上りました。
 コロナ禍で痛んだ経済を立て直すためには、消費税減税などの内需拡大策が求められます。同時に、原材料価格や仕入れ単価の上昇が販売価格に転嫁できるように環境を整えることや、引き続き、中小企業の安定した資金繰りへの継続した支援が欠かせません。

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