全国商工新聞

 厚生労働省は6月25日、新型コロナ感染拡大で国民健康保険(国保)の傷病手当を事業主にも支給している自治体数を13(3月31日時点)と公表しました。各地の民主商工会(民商)からの報告を合わせて、15自治体にまで広がっています(下の表)。この間、民商が「コロナ危機の下で、事業主にも国保の傷病手当支給を」と求め、自治体要請や懇談を重ねてきたことが実ったものです。

婦人部の要請で実現 愛知・知多北部民商 会員が早速活用

東海市に業者の実態を訴え、傷病手当の対象を事業主に広げた知多北部民商婦人部=2020年4月

 愛知県東海市は、昨年の6月議会で、新型コロナウイルス感染症にかかった事業主にも傷病手当金を支給することを決定しました。知多北部民商婦人部の要請が実ったもの。
 知多北部民商の会員は先ごろ、新型コロナウイルスに感染し、傷病手当金を受給しました。10日以上休むことになり、民商に相談すると、市が事業主まで傷病手当の対象を広げたと聞いて「当初は、『傷病手当』という制度自体、知らなかったが、療養後に早速、申請した。申請自体も簡単で郵送ででき、1週間ほどで振り込まれた。家族もいるので大変助かった」と喜んでいます。

安心して休める制度を 全商連 厚労省に要請

 全国商工団体連合会(全商連)は5月28日、厚労省に「国保の被用者には傷病手当が支給され、事業主には支払われないのは不公平だ。事業主が安心して休めないのは、感染拡大防止にも反する。国保制度への信頼を勝ち取るため、事業主にも傷病手当を」と要請。全国の自治体の実施状況の把握を求めました。
 厚労省は今なお「事業主の収入減少の類型が多様であることから、所得補塡額の算定が困難」とし、事業主は財政支援の対象外との姿勢を崩していません。
 一方、傷病手当金を実施している自治体は、算定方法を独自で決め、支給しています。事業主に対する傷病手当は、現時点では国の財政支援の対象外となっていますが、各自治体が「被保険者間の公平性」などを考え、実施しています。

小田原市が回答 支給すべき考えは一緒 神奈川県婦協が要請

小田原市の保険課に要請書を手渡す神奈川県婦協の目黒千惠美会長(右)

 「国保の傷病手当は、被用者だけでなく、事業主にも支給してほしい」―。神奈川県連婦人部協議会(県婦協)の目黒千惠美会長ら2人は7月15日、国保のコロナ特例減免や傷病手当について小田原市と懇談し、制度の拡充を求めました。
 応対した保険課の山崎正裕副課長は「他県で実施している事業主への傷病手当を調べたところ、日額5千円など一定額を支給している。限りある財源で難しいが、新型コロナにかかった事業主にも支給するべきとの考えは、皆さんと一緒。コロナ特例減免や傷病手当に地方創生臨時交付金から充当するよう予算要望を上げ、国にも要望していきたい」と回答しました。
 懇談には、日本共産党の田中利恵子、岩田泰明の両市議が同席しました。

時津町、長与町に 休業できる補償制度を 長崎・西彼民商が要請

長与町に申し入れをする西彼民商の田口征弘会長(右)

 長崎・西彼民商は6月18日、時津町と長与町に「事業主にも国保傷病手当の支給を求める」よう申し入れました。
 田口征弘会長=機械修理・販売=は「個人事業主はコロナに感染しても休業補償がない。隣の西海市は、事業主に傷病見舞金として支給している。個人事業主にも傷病手当を支給してほしい」と訴え。共済会理事長を務める樋口和通副会長=自動車板金塗装=は「私たちが商売できるのは、健康であってこそ。感染の疑いがあっても、補償が無ければ、安心して休業できない」と力を込めました。両町の応対した職員は、町長や国保課に伝えると回答しました。

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