全国商工新聞

 デジタル改革関連法案の強引な審議手法に批判が高まっています。「公的給付支給預貯金口座登録法案」「地方公共団体情報システム標準化法案」など6本もの法案を拙速審議で強行成立させるなど許されません。
 法案の狙いはデジタル庁の9月設置をはじめ、プライバシーを侵害する個人番号(マイナンバー)の利用拡大や社会保障の削減、国による地方自治の統制強化、個人情報の官民共用の推進です。マイナンバーをひも付けた銀行口座の情報を国が吸い上げます。税、社会保障、災害対策に限定されているマイナンバーの利用範囲を拡大し、個人情報を、もうけのために活用する算段です。自治体の業務内容が国のシステムに標準化されるため、独自の施策が抑えられ、住民自治が侵害されます。
 国による情報の一元管理は大問題です。昨年11月、中国国内で流出した個人情報の内容に衝撃が走りました。住所、氏名、電話番号、身分証番号、身長、体重、BMI(体格指数)、恋人の氏名やデートした日時、立ち寄り先、地下鉄の利用状況などが含まれていました。詳細なプライバシーが集められ、整理・分類・保管されていたと報じられています。
 消費税のインボイス実施による影響や徴税強化の動きも見過ごせません。マイナンバーが義務化されている韓国では、クレジットや電子決済とインボイスの情報を基に事業者間の取引履歴を税務署が掌握し、「記入済み申告書」を納税者に提供しています。申告納税制度の破壊です。
 平井卓也デジタル担当相は3月12日の衆院内閣委員会で、税金や社会保険料の納付率を向上させるため「マイナンバーを利用することは可能」と答弁しました。税務署や自治体などが金融機関に行う年間6千万件もの預貯金照会をデジタル化する動きも始まっています。
 人権・民主主義・憲法を踏みにじる「監視社会」など言語道断です。全商連は個人情報を自分でコントロールできる権利の確立や、個人情報保護委員会の権限強化を提案しています。自治体で個人情報保護を最優先する条例の制定を要求し、「デジタル改革の前に個人情報保護の徹底を」の声を広げましょう。

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