全国商工新聞

 中小業者に対する菅政権の冷酷な姿勢が鮮明です。
 中小企業庁は、持続化給付金を申請する新規開業者が税務署への開業届を提出できない場合の代替書類を「公的書類」に限定し、対応できない申請者を不給付にしようとしています。半世紀以上にわたって飲食店を営み、法人税の納税も源泉徴収もしてきた組合が「人格なき社団」というだけで、申請すらできないままです。いまだに取り残されている申請は全国で20万件に上ります。
 一方、審査を請け負う事務局として大手広告代理店・電通の隠れみのとなり、不透明な外注を繰り返し、申請者に「不備通知」を乱発しているサービスデザイン推進協議会には328億円もの委託費が、請求からわずか1週間後に支払われています。「誰のための給付金か」と怒りの声が上がるのは当然です。
 給付金の出し渋りや、新型コロナ感染の収束を前提としていた「Go To キャンペーン」の見切り発車によって、生業も医療体制も危機的状況に追い込まれています。
 いま必要なことは、感染拡大を防ぐ検査と医療の抜本的な拡充であり、企業数の99.7%を占め、雇用の68.8%を担う中小企業・小規模事業者の倒産・廃業を防ぐことです。
 持続化給付金や家賃支援給付金について「新陳代謝を著しく阻害する」「予定通り終了させる」べきとした財政制度等審議会の建議(11月25日)など、もってのほかです。
 多くの中小業者は地域に根差して営業を続け、雇用を守り、技術や味を引き継いできました。子ども食堂に取り組む飲食店、高齢者をケアする介護事業所をはじめ、多様な小規模事業者こそ日本の宝です。つぶされていいはずがありません。
 国の給付金や特別貸付はもとより、国保料・税の減免から自治体の出産祝い金に至るまで、あらゆる支援制度を活用し、コロナ禍を生き抜く努力が続いています。手元の資金さえあれば希望を失わず、挑戦することができるのが中小業者です。
 経験したことがない厳しい年の瀬を迎えます。恩恵が偏る「Go To キャンペーン」を見直し、苦難にあえぐすべての中小業者に直接届く支援策の強化・継続こそ政府の責任です。

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