Go Toトラベル事業で延期申し入れ 大手中心に「配分枠」 中小に手厚い支援を|全国商工新聞

全国商工新聞

観光庁ヒアリング=7月30日、国会議員会館内

 全国商工団体連合会(全商連)は7月20日、緊急に政府へ要請書を送付。
 「大都市を中心に感染者数が再び増加の兆候を見せており、感染症の収束は見通せていない。世論調査でも『全面延期すべきだった』が62・7%に上っている」とし、赤羽一嘉国土交通大臣、田端浩観光庁長官に対し、①「Go To トラベル」事業の実施を「新型コロナウイルス感染症収束後」まで延期すること、②中小旅行代理店や地域の旅行関連業者への制度説明を丁寧に行い、等しくキャンペーンの恩恵が及ぶようにすることなどを申し入れました。
 また、30日には観光庁から制度説明を受け、Go Toトラベル事業の制度改善と苦境に立つ観光業界への直接支援を求めました。
 27日より、事業者登録が始まり、委託を受けた事務局が、昨年の旅行取扱額に基づく配分枠の通知を登録事業者に開始していることが判明しました。このままでは、危機にある事業者支援を口実にしながら、大手事業者が予算を独占することにもなりかねません。全商連は配分枠を中小事業者に優先的に割り当てることを求めました。

 新型コロナウイルスの感染拡大が地方でも加速し始め、「Go To トラベル」キャンペーンを強行した政府に対する批判が日増しに高まっています。
 全国商工団体連合会(全商連)は7月30日、観光庁による制度説明を受け「Go To トラベル」について、大手業者優遇の制度設計の改善などを求めるとともに、「感染収束後」まで延期することを重ねて要請しました。
 参加事業者登録を行った旅行事業者に対し、業者ごとの「配分枠」が通知されてきていることが明らかになりました。
 制度説明には中小旅行業者2社が同席。「うちに割り当てられた給付枠はわずか60万円だ」「うちは300万円だった。何を基準に枠が決められているのか」との質問が出されました。昨年の取り扱い実績を根拠に配分枠が計算されており、中小にはわずかの配分しかない実態が明らかになりました。
 全商連は「事務局を務める大手業者に大きく配分されている。1万事業者の救済を掲げながら、中小は枠も少なく早期に使い切り、メリットが得られない」「利益相反になるのではないか」と改善を求めました。
 また、業者向け説明会で指摘されていた「東京への旅行や、東京在住者の旅行は対象外だが、解除の基準は決まっているのか」「若者や高齢者の団体旅行や、大人数の宴会を伴う旅行は控えることが望ましいとされているが、具体的な基準はどうなのか」などの問題点について、明確な答えはありませんでした。
 都民が混在した団体旅行であることが分かった場合、「都民の分のみ返還を求める」考えであることも分かりました。
 全商連の中山眞常任理事は「制度のあいまいさから多くの矛盾が生じている。現場の業者に過大な負担が生じないようにしてほしい」と要請。「コロナ禍で売り上げ減に見舞われた中小の旅行業者や宿泊業者は、この制度も生かして挽回しようと努力している。そこに手厚い支援をしてほしい」と重ねて訴えると、担当者は「そのようにしたい」と述べました。

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