全国商工新聞

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 新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて、売り上げが減少した事業者の事業継続を支える「家賃支援給付金制度」が7月14日から始まりました(期間は2021年1月15日)。フリーランスを含む幅広い個人事業主や、資本金10億円未満または従業員が2千人以下の法人が対象です。予算総額は2兆242億円で約250万事業者の申請が見込まれています。対象となる家賃や給付金額、申請の手続き、必要な添付書類など制度の内容をQ&Aで解説します。

Q1 対象になる家賃は?

A 事業用の土地や建物の賃料

 20年5月以降の事業のために使用している土地や店舗、工場、事務所、倉庫、資材置き場などの建物の賃料が対象です(賃料と同契約の共益費や管理費を含む)。
 駐車場を借りている場合も対象。住居兼事務所の場合は「家事按分」(事業用と家事用に分ける)して、事業用の地代や家賃を経費に計上している分が給付対象です。
 ①賃貸借契約書上の借り主の名義が、現在の借り主の名義と異なる②申請者が借り主の名義と異なる③20年3月31日と申請時に契約が有効であることが契約書を見ても分からない④20年3月31日から申請日までの間に、引っ越しなどで新たに契約した⑤土地・建物を賃貸借でない形態で利用している(例えば、駐車場を月極めで借りているなど)⑥契約書がない⑦申請日の3カ月前までの期間に貸主から家賃の支払い免除を受けている―場合は、支払実績証明書や誓約書、賃貸借契約等証明書などを添付することで申請ができます(各書類は経産省のホームページで公表しています)。
 対象外になる契約は①転貸(また貸し)を目的にした取引(借り主が借りている土地や建物の一部を転貸して、残りを事業のために自ら使用している場合、その部分は給付対象)②貸主と借り主が同一人物③貸主と借り主が夫婦や親子④オンラインモール(電子商店)―です。

Q2 給付額はいくら?

A 個人事業者に300万円(最大)、法人に600万円(同)

 家賃支援給付金事業のイメージは図1のとおり。申請時の直近に支払った家賃(月額)に基づいて算出される給付額(月額)の6倍が一括で給付されます。
 個人事業主、法人の給付額は表1のとおりです。複数店舗の家賃を払っている場合、複数店舗の合計家賃に基づいて給付額が算定されます。
 給付の対象になるには①20年3月31日と申請日時点で、有効な賃貸借契約がある②申請日の直前3カ月間の家賃が支払われている―ことが必要です。家賃が未納の場合、融資などを受けて最低1カ月分の家賃を支払う必要があります。
 自治体の支援制度で家賃補助を受けている人は、家賃支援給付金の予定額との合計が、申請者が1カ月分として実際に支払った家賃の6倍を上回る場合は、超過分が減額されます。

Q3 どんな人が申請できますか?

A 売り上げが前年同月比50%以上減、または3カ月間の売上合計が30%以上減

 19年12月31日以前から事業収入があり、事業を営むための家賃を払っている個人事業主や法人が対象です。20年5月から12月までの間、新型コロナの影響によって①いずれかの1カ月の売り上げが、前年同月比50%以上減少②20年5月以降、連続する3カ月の売り上げ合計が前年同期比30%以上減少―のいずれかに該当すれば、申請できます。
 売り上げが減少しているかの算定例(個人事業主)は表2、3のとおり。性風俗店、宗教団体等は対象外です。

※雑所得や給与所得で確定申告をしたフリーランスや、20年1月~3月までの間に開業した事業者も給付対象の方向で検討されています。申請要領は準備が整い次第、経産省のホームページで公表されます。

Q4 どうやって申請するの?

A 手続きは電子申請だけ

 手続きはパソコンやスマートフォンから「家賃支援給付金ホームページ」にアクセスして申請します。申請から給付されるまでの流れは図2のとおりです。
 経産省は「売り上げ減少の確認に加えて賃貸借契約の確認が必要になり、持続化給付金(およそ2週間)よりも給付までに時間がかかる」としています。
 全国で申請サポート会場が開設され、コールセンター(℡0120・653・930)も設置されていますが、持続化給付金申請では「申請サポート会場の対応が親切でない」「コールセンターにつながらない」「不備メールの内容が分からない」などの声が上がり、「申請しても給付されない」「申請から給付まで1カ月以上かかった」などの問題が噴出しました。
 各地の民商では申請手続きを丁寧にサポートし、不備メールが送られた時も「何が間違っているのか」「どんな書類が足りないのか」など問題を解決して給付金が支給されるまで相談に乗っています。相談は最寄りの民商までお寄せください。

Q5 申請に必要な書類は?

A 確定申告者や賃貸借契約書など

 昨年の売り上げを確認するために①19年分の確定申告書第一表の控え(収受印があるもの)。収受印がない場合は「納税証明書」(その2)を添付(納税証明書がない場合でも申請できますが、給付まで時間がかかります)②法人は法人事業概況説明書の控え、個人で青色申告の場合は月別売り上げ記入がある19年分の所得税青色申告決算書の控え(両面)③受信通知(e―Tax)申告者の氏名または名称、提出先税務署、受付日時、受付番号および申告した税目などが表示された画像データ。確定申告書の控えに収受印、電子申告書の日時、受付番号が記載されている場合、添付は不要)。今年の売り上げを確認するために、減った月・期間の売上台帳(ソフトから抽出した売り上げデータやエクセルで作成した売り上げデータ、手書きの売上台帳、帳面のコピーなどもOK)。
 確定申告書控えに個人番号(マイナンバー)が記載されている場合は、黒塗りにして読み取れないようにします。
 賃貸借を確認するため①賃貸借契約書の写し②直前3カ月の家賃支払いを証明する書類(振り込み明細書、領収書、家賃支払い証明書のいずれか。免除・猶予を受けている場合は1カ月分の証明)の添付が必要です。給付金を振り込むため①申請者本人の通帳の表紙②通帳を開いた1、2ページ目の両方を添付。個人事業主は本人確認のため運転免許証(ない場合は住民票の写しおよびパスポートの両方か、住民票の写しおよび保険証の両方)を添付します。

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