検察庁法改悪案 国会提出 法の支配のじゅうりんを許すな|全国商工新聞

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 安倍政権は3月13日、検事総長以外の検察役職者について、その退任期限を内閣ないし法務相が恣意的に判断できるようにする検察庁法改悪案を国会に提出しました。
 1月31日に従来の政府解釈をねじ曲げ、63歳で定年の予定だった黒川弘務・東京高検検事長の勤務延長を閣議決定したのに続くたくらみです。
 検察官は準司法的職責を担うだけに、政治からの独立性と中立性が強く要請されます。にもかかわらず、検察官の定年人事について行政府の介入を許す暴挙が許されるはずもありません。
 黒川氏でいえば、その略歴から安倍暴走政権の「子飼い」と評されても仕方ありません。戦争法が強行採択された2015年9月当時、黒川氏は政界と司法のパイプ役となる法務省官房長でした。共謀罪を含む組織犯罪処罰法が可決・施行された17年は、同省トップの事務次官として奔走しました。
 森友学園問題における財務省の公文書改ざん事件でも、佐川宣寿・元国税庁長官など関係者全員の不起訴処分を主導したといわれます。
 そんな黒川氏の定年を違法な閣議決定で延長した狙いについては、立憲野党の国会議員や法律家団体がこぞって「定年が65歳の検事総長にすることで、モラル崩壊を繰り返す安倍政権の保身を図るためではないか」と指摘しています。
 現時点でも、河井克行・前法務相らの公職選挙法違反事件、自民党を離党した秋元司衆議院議員のカジノ・総合リゾート汚職事件が浮上していますが、安倍首相自身が「桜を見る会」に関連して政治資金規正法や公職選挙法に違反する疑惑を抱えています。「政権お墨付き」の黒川氏では「厳正公平、不偏不党」という検察庁の理念を果たし得ないと、多くの国民が思うのは当然のことです。
 黒川氏の定年延長を認める閣議決定を撤回し、国会に提出された検察庁法改悪案を廃案にするべきです。憲法秩序の破壊と「法の支配」のじゅうりんに強く抗議するとともに、ウソと偽り、隠ぺいを重ねつつ、政治を私物化して9条改憲に突き進む安倍暴走政治をストップさせるため、力を合わせましょう。

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