コロナ被害広がる 中小業者の経営守り危機打開を|全国商工新聞

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 安倍政権は、新型コロナウイルス感染の全世界的な広がりの中、改定「新型インフルエンザ対策特別措置法」を成立させました。
 特別措置法の主眼は、国民の自由と人権を幅広く制限する「緊急事態宣言」を首相が発動できることにあります。これまでも安倍首相は、専門家会議などの意見を聞かず、科学的見地に基づかない独断の対応を行ってきました。さらに首相の権限を強化することへの危惧が広がっており、「政治の責任」が問われています。
 現在、各種のイベント自粛や一斉休校等で、多くの中小業者の営業と暮らしが大混乱し、「コロナ」廃業・倒産が起きています。
 経済産業省は、総額1・6兆円の資金繰り支援を表明しました。サプライチェーンの毀損等に対応し、相談窓口を設置し、経営を下支えするとしています。
 しかし、「融資制度の拡充」に対し、小規模事業者からは、「先の見通しが見えず借りても返すめどが立たない」「廃業を検討中」の声も出されています。
 私たち中小業者は、「商品」「味やサービス」「磨いてきた技術」などを提供し、人と人をつなぐことを通じて生活の糧を得て暮らしています。
 休校要請、イベント自粛要請など、政府の要請に伴って仕事や収入を奪われた人や事業者には、国の責任で迅速に補償することを大原則にすべきです。
 また、これまでのような外需頼みから内需を温める経済政策への転換が求められています。とりわけ家計と中小企業への思い切った対策が必要です。
 中小業者への支援策というのであれば、売り上げがなくても発生する諸経費(固定費)の補助や、公共料金・税金等の免除の拡大、さらには生活支援など、大胆な財政出動が求められます。
 民商・全商連では、会員や地域の中小業者の実態を調べ、経済産業省はじめ関係省庁に支援策の創設・拡充を要望してきています。
 深刻な消費の冷え込みを打開する消費税減税の実現をはじめ、中小業者に「今は、苦しくても、乗り越えられる」希望の持てる緊急対策を国に求めていきましょう。

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