全国商工新聞

 所得控除は基礎控除、配偶者控除、生命保険料控除など全部で14種類あります。その中で控除の対象の判断に迷うことが多い、社会保険料控除と医療費控除について解説します。まず、社会保険料控除の対象は公的な健康保険料、介護保険料や年金保険料などで、納税者がその年に支払った額です。自分の分だけでなく、生計を一にする親族の社会保険料も納税者が支払った分は所得控除の対象となります。ただし、公的年金から特別徴収される介護保険料などは、年金受給者自身が社会保険料を支払ったことになるので注意してください。「生計を一にする」は同居に限らず、勤務の都合や修学や療養などで別居している場合でも生活費、学資金、療養費などを送金している場合は含まれます。
 次に医療費控除です。その年に支払った医療費のうち10万円を超えた部分が控除されると思われていますが、正確には、総所得金額等の5%と10万円のいずれか低い方の金額を超えた分が控除の対象です。つまり、総所得金額等が120万円であれば、その5%である6万円を超える医療費が控除の対象です。なお、高額療養費などの保険金等により補てんされた金額がある場合、支払った医療費から差し引いて計算する必要があります(医療費控除の限度額は200万円)。

 2017年分の確定申告から、医療費の領収書の添付は不要となり、代わりに「医療費控除の明細書」を添付することになりました。また、医療保険者が発行する「医療費の通知(お知らせ)」を添付することで明細書の記載を簡略化できます。ただ、医療機関から医療費情報の連絡があるまで一定の期間を要することから、通知書に記載のない医療費があることもあります。医療費通知に記載のない医療費は、医療費の領収書を確認して別途明細書に記載して控除額の計算をしましょう(2019年分までは、従来通り領収書の添付または提示によることもできます)。
 医療費控除の対象となるかどうかの判断は難しいものがありますが、まずはシンプルに医師などによる治療であるかどうかを考えてみてください。なお、診療等を受けるための電車やバスなどの通院費なども対象となります。
(税理士・佐々木淳一)

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