全国商工新聞

静岡で初の全国集会

集会に先立ち浜松駅から会場へデモ行進する参加者

 安倍政権が進める水道民営化にストップをかけようと1月13日、「命の水を守る全国のつどい」(主催同実行委員会)が静岡県浜松市内で開かれました。昨年12月6日の水道法改悪後、最初の全国集会とあって全国から約600人の市民が参加。多彩な議論を通じ、水道民営化の問題点を浮き彫りにしました。

 基調報告で、水道ネットワークの池谷豊事務局長は、1980年代から世界各地で「水が投資の商品、利権の対象」とされ、規制緩和・民営化の結果、水質悪化、料金値上げなどさまざまな問題が起き、再公営化が進んでいることを紹介。日本では浜松市が初めて18年4月に下水道をコンセッション方式(別項)で民営化し、上水道も同様に狙っていると告発し、「命の水を売り渡してはいけない」と、民営化ストップを呼び掛けました。
 パネルディスカッションでは、集会実行委員長の天沼えり子さん(浜松民商東支部、コミュニティーカフェ経営)がコーディネーターを務め、3人のパネリストが問題点を解説しました。
 尾林芳匡弁護士は、水の供給理念を示すとともに、「水道民営化は水道事業の課題改善につながらない」と指摘。アジア太平洋資料センターの内田聖子さんは、世界では水道料金の値上げ、水質・サービスの悪化、財務情報の非公開などの問題が多発し、再公営化の動きが広がっていることを紹介しました。
 水ジャーナリストの橋本淳司さんは、過剰設備の縮小、小規模水源の活用など「住民参加視点での水道事業の再生」を強調。水循環の視点から総合的な水行政を担う人材育成を呼び掛けるとともに、将来のあるべき姿を探っている「矢巾町水道サポーター」の取り組みを紹介しました。
 この後、宮城、兵庫、大阪、和歌山、長野、愛知など各地の代表が、命の水を守る活動や、コンセッションに反対する運動について発言。地元浜松からは、「水道民営化を考える市民ネットワーク」の活動や、情報公開で明らかになった「コンセッションありきの報告書作成の実態」などを告発しました。
 日本共産党の落合勝二・浜松市議らが、水道民営化をめぐる情勢を報告した後、「水は公共の財産であり、市民一人ひとりのためにあります。水は営利企業のものではありません。命の水をもうけの対象にしてはいけないのです」とした市長・市議会議長宛てのアピールを確認しました。
 集会に先立ち参加者は、浜松駅前から会場まで約40分にわたりデモ行進。ギターや太鼓、ラップのコールに合わせ「やめよう 水道民営化」「命の水は市民の財産」「水は人権 勝手に売るな」「命の水は市民で守ろう」と訴えました。

解説 コンセッション方式

 アベノミクスの柱の一つとして活用拡大が図られてきた官民連携、民間資本参入(PFI)。そのPFIの一種で、自治体が公共インフラの所有権を持ったまま、運営権を民間企業に売却する方式。
 その流れを先取りしたのが、浜松市の下水道事業。買い取ったのは水メジャーと呼ばれるフランスの企業「ヴェオリア」など6社の企業連合で、浜松市は水道法改正を機に上水道への導入も狙っています。
 その背景として指摘されるのが「設備の老朽化」「人口減少に伴う料金収入の減少=赤字化の経営実態」。改正水道法は、その対策として(1)広域連携(2)官民連携-の推進を打ち出しています。しかし水道の民営化によって海外では逆に、料金の高騰、水質の悪化が相次ぎ、途上国、先進国でも再公営化が相次いでいます。「命の水」をもうけの対象にしてはなりません。

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