Q1 どんな制度なの?

A: 個人に番号を付け国が管理する
赤ちゃんからお年寄りまで、すべての人に12桁の番号を付け、個人情報を国が一元的に収集・利用しようとするものです(法人番号は13桁・原則インターネットなどで公表)。指定された個人番号は原則として生涯変わりません。
10月5日現在の住民票所在地に、市町村から家族単位で、個人番号が記載された「通知カード」が送られ、申請により「個人番号カード」が交付されます。「個人番号カード」の取得は強制ではありません。
個人番号の利用は2016年1月1日からです。

Q2 何に利用するの?

A: 当面は3分野 国民のメリットなし
政府は個人番号の利用範囲を当面、社会保障や税金、災害対策の3分野としています。制度の効果として、
①所得や社会保障給付の受給状況を把握しやすくなり、公平・公正な社会が実現
②行政手続きが簡素化され、国民の利便性が向上
③行政機関などで情報を照合する時間や労力が大幅に削減-としています。国民の利便性をうたっていますが、住民票の取得など、便利だと感じる機会が少ないものばかりです。そのため政府は、番号制の利用範囲拡大を狙っています。

Q3 制度の目的や狙いは?

A: 徴収強化と社会保障給付の削減
政府は制度の目的について「公正な給付と負担の確保」としています。預金口座にも個人番号をひもづけして国民の所得や資産を把握し、税金や社会保険料を確実に徴収するとともに、社会保障の給付を抑制することが狙いです。税務調査にも利用されることも危惧されます。
安倍政権は戦争法を成立させ、米国と軍事行動を共にすることを狙っており、個人番号による徴収強化が戦争できる国づくりの財源にされてしまうことも大問題です。

Q4 どれだけ費用がかかるの?

A: 初期で3000億円 大企業は大もうけ
政府は番号制の初期費用に3000億円、稼働費用を年300億円と見込んでいます。それに対し、個人番号制度による増収は、年間2400億円が見込まれると公表しました。しかし、その試算は「同制度の導入で実務が効率化し、税務職員1980人を徴収に回せるので、1人当たりの徴収実績額1.23億円を掛けた」もので、苦し紛れの根拠の薄いものです。これだけ巨額の税金を投入しながら、結局はIT関連の大企業だけがもうかる制度となります。
【関連記事】マイナンバーで潤う?! 大企業・官僚・自民党 利権まみれの制度/全国商工新聞(2015年11月23日付)

Q5 セキュリティーは大丈夫なの?

A: 個人番号がだだ漏れになる危険が大きい
政府は安心・安全が確保されていると強調しています。しかし、日本年金機構が125万人分の年金情報を流出させたことが発覚し、セキュリティー管理が万全ではないことが明らかになりました。米国や韓国でも個人番号などが漏えいし、なりすましによる不正還付やクレジットカードを偽造・不正使用する事件が多発し、社会問題になっています。
インターネットが普及した社会で個人番号の民間利用がすすめば、だだ漏れになる危険性がさらに増えます。

Q6 利用範囲は制限されるの?

A: 将来は利用範囲が際限なく広がる計画
政府は将来的には健康保険証、自動車登録、パスポート取得など民間分野で広く利用できるように考えています(図1)。さらに、2020年開催予定の東京オリンピックの入場確認にマイナンバーを利用し、政府の管理下にある国民だけ入場を許すという統制社会ともいうべき計画は、安倍政権がすすめる「戦争ができる国家づくり」と無縁ではありません。
一方で、警察や税務署はなんの規制もなく個人情報の利用ができるようになっています。

Q7 中小業者への影響は?(1)

A: 無償で運用・管理する義務を負う
1人の従業員でも個人番号を扱う事業主はすべて「個人番号関係事務実施者」として、以下の事務を無償で負うことが義務付けられます。①従業員・パート(扶養家族も含む)などから個人番号の提供②厳格な本人確認③確定申告書などに個人番号を記載して提出(図2)④外部に流失しないよう日常的に管理⑤従業員などが退社した場合など番号を確実に廃棄、さらに情報が漏れた場合、最長4年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金が科せられます。

Q8 中小業者への影響は?(2)

A: 費用負担も増大し、労使関係も心配
事業主が従業員などの個人番号を管理するためには事業所内の書類の管理を徹底し、セキュリティーなどに対応したパソコンソフトへの切り替えなどが必要になります。その費用は従業員数「5人以下」でも40万円台。他にもシュレッダーや頑丈な金庫などの備品も必要となり、厳しい経営を強いられる小規模事業者にとっては大変な負担増になります。
個人番号の提供を拒む従業員などとの仲たがいも予想され、良好な労使関係にひびが入ることも心配です。

Q9 利用をやめさせるには?

A: マイナンバー中止署名を広げよう
全商連は、中小業者の営業を破壊するマイナンバー制度の利用拡大を中止し、制度の廃止を求める署名運動を呼び掛けています。地域の業者にも声をかけて学習会を開催し、マイナンバー制度の問題点や危険性を知らせ、中小業者に合った対応策なども学び合いましょう。
国税庁は、確定申告書などに番号が記載されていなくても受け取るとし、不利益もないとしています。各地の民主商工会は税務署と交渉し、番号不記載でも納税者の権利を認めるよう要請しています。(署名はこちら>>

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