事前通知を徹底せよ 沖縄県連が国税事務所に要請|全国商工新聞

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不当な税務調査の実態を告発し改善を求めた沖縄県連の国税事務所要請

 「税務調査の事前通知を徹底せよ」「無予告調査は中止を」―。沖縄県商工団体連合会(県連)は先ごろ、人権無視が横行する不当な税務調査の是正を求め、沖縄国税事務所に要請しました。前田潤副会長=畜産=はじめ県内全ての民主商工会(民商)から14人が参加。事前通知を確実に実施することや消費税インボイス制度の廃止など5項目を求めました。
 不当な税務調査を受けた3人も参加し、直接告発しました。参加者からも、民商に寄せられた不当事例を告発。「事前通知なしで朝9時に署員6人が訪れ、駆け付けてくれた民商会員の立ち会いを理由に反面調査の脅しをかける」(那覇)、「署員が『民商が税務相談をしているのか。申告書を民商の人が作成しているのか』など執拗に尋ねる」(沖縄)、「民商を脱会した証明を出さないと、調査が終わらないと言われた」(名護)、「『調査に協力しない場合、仕入税額控除否認になる』と言われた」(名護)、「税額が確定していないのに、1500万円予納させられた『予納申出書』をなりすましで作成している」(北那覇)、「通帳の写真を撮り、承諾なしに口座取引を調査した」(宮古)など、任意調査を逸脱した違法行為の数々を訴えました。
 所側は「個別の問題はすぐには答えられないが、本日の要請内容は調査し、適切に対応します。回答は当事者に回答します」と、改善を約束しました。
 県連は引き続き、不当事例の告発を進めるとともに、不当な税務調査を許さない運動を強化することにしています。前田副会長は「事前通知をしない調査が横行している。税務職員の言動の中には、民商の結社権や団結権を踏みにじるものもあり、許せない。引き続き、改善を求めて、たたかう」と強調しました。

調査中の仲間励まし 大阪・西成民商 税務調査対策会議

以前に調査を受けた会員も参加して経験を交流した西成民商の税務調査対策会議

 大阪・西成民主商工会(民商)は10月25日、民商事務所で税務調査対策会議を開き、現在、税務調査が進行中の自動車板金と駄菓子製造の会員2人をはじめ19人が参加しました。
 以前に調査を受けた会員3組も参加。自身の経験を話してくれました。昨年調査を受けたYさん=建築板金・飲食=は、「得意先2件が相次いで調査になり、自分にも来るのではないかと心の準備はしていた。調査は毎回1時間だけと決め、署員とは3~4回、自宅で会った。領収書等を全て捨てずに置いていたのが幸いし、少額の修正で済んだ。見せてと言われた資料だけを見せるようにし、他は別室に置いていた」と振り返りました。
 今まで調査を3回受けたYさん=建築=は「前回の5年前の調査の時は、民商の仲間6人が立ち会ってくれて、とても心強かった」と立ち会いの大事さを語りました。
 「税務調査の10の心得」や「事前通知の11項目」を学び、参加者から「税務署員が突然店にやって来ることはあるの?」「経費として払っている給料はどこの誰に払っているかまで調べられる?」など質問も出され、参加者同士で意見交換しました。当事者の二人も「初めての調査で何も分からない」(自動車板金)、「法人なので、何度も調査を受けているけど、何を言われるか」(駄菓子製造)と不安を抱えていましたが、「仲間がついていてくれることが分かり、心強い」と安心していました。
 最後に、黒田直子事務局長が「調査の時に納税者の権利を主張することは、もちろん大事。一番大切なのは申告した数字を自信を持って税務署に説明できること。そのためにも普段の自主計算活動をしっかりやろう」と呼び掛けました。

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