高知県安芸市、田野町、東洋町 インボイス延期の意見書 保守派の議員も危機感 安芸民商 全9市町村で採択を|全国商工新聞

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 高知・安芸民主商工会(民商)では、担当する9市町村のうち安芸市と田野町、東洋町の3月議会で「消費税のインボイス制度の実施延期を求める」陳情書と意見書が可決されました。

安芸民商の仲間らと川島憲彦会長(右から3人目)

 安芸市議会では、民商会長を務める川島憲彦市議(共産)が3月21日に追加議案として意見書を提出。翌22日に賛成9、反対4で採択されました。
 川島市議は採択に向け、自民党支持者が基盤の保守派議員6人を訪問、対話。コロナ禍で、厳しい状況に追い込まれた中小業者の実態を説明し、「来年10月にインボイスが実施されれば、多くの免税事業者が倒産に追い込まれかねない」と、賛同を訴えました。これまで築いてきた関係もあり、6人全員が賛成。いつもは反対することが多い議員の中にも、飲食店を経営する議員がインボイスに危機感を持ち、賛成しました。
 田野町議会では3月11日、賛成5、反対4で意見書を採択。日本共産党の山崎豊子、西岡潤の両町議が議会運営委員会に意見書を提案し、賛同を呼び掛けました。「この制度は小規模事業者にとって問題が多く、意見書提出に賛成」と保守派の町議からも賛成意見が出るなど、これまでとは違った反応が見られ、議会運営委員会でも提案に理解が示されました。
 東洋町議会では3月10日、全会一致で意見書を採択。2月9日に提出された陳情書を、3月3日の総務教育民生常任委員会で審議し、議会事務局長が国税庁のリーフレットを配ってインボイス制度を説明しました。議会事務局長は「免税事業者がインボイスを発行できるよう、課税事業者になることを迫られたり、煩雑な手続きや消費税納税が必要になる。インボイスが発行できなければ、取引から排除される心配があると伝え、全会一致で採択された」と述べました。
 民商では「地方の声を国に届けるためにも、今後も残る6自治体で意見書採択の取り組みを強めたい」と話しています。

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