全国商工新聞

生業返せ訴訟弁護団事務局長 馬奈木厳太郎さん

 福島原発事故の被害者が、国と東京電力を被告として、原発事故の責任を問い、被害救済を求めている四つの裁判が、最高裁判所なりに係属しています(①「生わい業を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟、②原子力損害賠償群馬訴訟、③福島第一原発事故損害賠償千葉訴訟、④福島第一原発事故・損害賠償愛媛訴訟)。
 高等裁判所では、三つの裁判で国に責任があるとの判決が出され、一つの裁判では国には責任がないとされました。そうしたことから最高裁では、原発事故の責任が、東京電力についてはもちろん、国にあるのかが大きな争点となっています。
 原発事故前に、大地震が起き、それによる津波が福島第1原発の敷地内に襲来する危険性を予測し得たのか、予測し得たとして対策を取っていれば事故を回避することができたのかが判断のポイントとなります。国の責任を認めた判決は、いずれも事故前に予測できたとし、対策を取っていれば事故を回避できたと判断しています。
 そして、事故前に予測できたどうかを評価するに当たっては、人々の生命や健康が、企業の経済活動の利益よりも優先されるというふうに考えるかどうかが、判断の分かれ目となります。
 最高裁で、国と東京電力に責任があると判断されると、以下のような可能性が出てきます。
 ①原告が救済されるだけではなく、原告になっていない被害者の方々にも、救済立法がなされるなどによって、救済策が広がる可能性が出てきます。
 ②国に原発事故についての責任があることが確定し、現在の原発に対する規制の在り方や原発政策の見直しにつながる可能性が出てきます。
 私たちは、人々の生命や健康と企業の経済活動の利益が天秤にかけられることがあってはならないと考えています。そして、最高裁が私たちと同じような価値観に立つことを求めています。
 そのため、最高裁に対して、公正な判決を求める署名を取り組むことにしました。第1次締め切りは、2022年3月末です。最高裁では、定期的に法廷が開かれるといったことがなく、原告の顔を見る、被害者の声に触れる機会もありません。そうしたことからも、社会がこの裁判に関心を持っていると伝えることは極めて重要です。署名は、紙ベースのものだけでなく、オンラインでも行っています(https://chng.it/v6bXv4fp)。署名にご協力ください!

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