全国商工新聞

 菅義偉政権は、デジタル庁を設置し、行政のデジタル化をめざすとしています。その具体化として、取得率が2割弱にとどまるマイナンバー(個人番号)カードを、2022年末までにほとんどの住民が保有することを目標に掲げました。しかし、カード所持の強制は国民にリスクと不便を押し付けるものでしかなく、国民監視につながる危険性が指摘されています。
 政府は21年3月から健康保険証の代用としてカードを利用するとし、運転免許証との一体化も狙っています。さらに、医師や看護師などの社会保障関係の国家資格の登録申請・変更届なども、カードを利用することによるオンライン化で簡素化するとして、さらなる取得促進を図ろうとしています。
 政府がなりふり構わずカードを発行・利用させようとする理由の一つに、IT関係の大企業を優遇する政策があります。11月12日の衆院総務委員会にて、個人番号カードが5千万枚も過剰に発注され、その業務を大企業2社で受注を分け合う不透明な実態が明らかにされました。
 政府は、個人番号制度やカードの利便性を強調しますが、番号やカードを利用すればするほど、個人情報が漏えいするリスクが高まります。さらに、本人の知らないところで個人情報が不法に使われる恐れも広がります。
 また、カードを使用する場合、人を介せず、読み取り機などの設備を必要とするため、かえって不便になることも想定されます。
 技術革新を国民の暮らしに役立てることは重要です。しかし、「自助」を強調する菅政権下では、デジタル化が社会保障を切り捨てる手段として悪用され、個人情報保護をないがしろにして監視国家・警察国家につながる危険があります。
 全国商工団体連合会(全商連)は、個人番号制度は管理などの事務負担が中小業者にのしかかり、徴税強化、社会保障削減につながるものとして、利用を制限させて形骸化を図る運動を強めながら、その廃止を求めてきました。
 番号制度の問題点を世論に訴え、国民監視を推進する「デジタル庁」設置を阻止する運動に全力を挙げましょう。

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