全国商工新聞

コンビニオーナーの経営権の確立へさらなる改善が求められます(写真と記事は関係ありません)

 経済産業省の有識者会議「新たなコンビニのあり方検討会」(座長・伊藤元重学習院大教授)は6日、24時間営業など全国一律のサービス提供の見直しを求める報告書をまとめました。コンビニエンスストア各社に対し、近年の環境変化を踏まえ、「加盟店優先・オーナー重視という視点から」これまでのビジネスモデルの転換を求めています。
 報告書では、24時間営業や休日のあり方については、「加盟店の実情に合わせた経営を認めることは、コンビニが持続的に発展する上で避けて通ることはできない」と指摘。「柔軟な対応を認めることが検討されるべきだ」としています。
 売れ残った食品をそのまま捨てる食品ロスを巡っては、「見切り販売など加盟店の積極的な創意工夫を促すこと」「食品廃棄の削減を実現する仕組みの構築が重要」と強調しています。
 「オーナーとの対話の強化」に関連し、フランチャイズ契約の在り方についても「状況変化に応じた柔軟性が求められる」とし、「違約金のあり方」や「違約金という形態にとらわれない手法」、「短い期間で条件を見直すことができるような契約形態」も求められるのではないかと問題提起をしています。
 また、本部と加盟店とのトラブルの解決についても、中立的な窓口や、業界として裁判外紛争解決手続き(ADR)の整備が必要ではないかとしています。
 コンビニのFC契約では、売上-仕入れをベースにロイヤルティーが決定され、ロイヤルティーを本部に支払った残りから、人件費等の販売費や一般管理費等の経費を支払う仕組みになっています。人件費や店舗運営コストの負担増は、加盟店の利益を圧迫します。報告書が「様々な環境変化に応じた利益配分やコスト分担のあり方が勘案されるべきではないか」と投げ掛けていることが注目されます。
 この報告書に法的な拘束力はありませんが、経産省は、今後も各社の取り組み状況を点検していくことを表明しています。

FC法制定へさらに議論を

 経産省の要請を受け、コンビニ各社は、昨年「行動計画」をまとめて公表、24時間営業の柔軟対応など一定の変化は始まっています。しかし、本部各社の改革への取り組みは遅々として進んでいないのが現状です。例えば、セブン-イレブンでは、24時間営業をやめればロイヤルティー引き上げに跳ね返ります。見切り販売もやりにくい仕組みにされています。
 コンビニ改革の焦点は、FC契約の適性化にあります。報告書は、24時間営業の柔軟化、違約金のあり方、利益配分やコスト分担のあり方などについて本部各社の検討を促します。この問題提起で自主改革が進むと考えているとすれば、あまりにも「甘い」と言わざるを得ないでしょう。
 世界ではFC法の制定が進んでいます。公正取引委員会は、独占禁止法の観点から、本部と加盟店の取引等の実態調査を開始しています。わが国でも法制化に向け議論を開始することが求められます。

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