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損保代理店の経営まもれ 手数料、「乗合」など合流

全商連 損保問題懇談会を開催

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金融庁に各地の損保代理店の実態を伝える全商連「損保問題懇談会」参加者

 「各地で実態をつかみ、中小の損保代理店の経営を守ろう」―。全国商工団体連合会(全商連)は16日、参議院議員会館で「損保問題懇談会」を初めて開催し、全国から損保代理店経営者ら20人が参加しました。代理店の経営を苦しめている手数料ポイント制や「乗合」拒否の問題(用語解説)を交流し、この間の国会論戦や金融庁の取り組みの到達を確認。金融庁に対し、中小損保代理店を守り発展させることを求める要請を行いました。懇談会には、この問題を国会で取り上げてきた大門実紀史参議院議員(共産)が同席しました。

 全商連の鎌田保副会長が主催者あいさつ。「1998年の自動車保険の自由化以降、損保代理店は60万店から20万店以下に激減した。背景には、米国が日本市場の開放を求める日米保険協議を受け入れ、規制緩和を進めてきた自民党の保険行政がある。地域に根差し、顧客第一に考えて奮闘する代理店を苦しめる問題を解消していこう」と呼び掛けました。
 大門議員は、参議院財政金融委員会(17年3月22日)で手数料ポイント制度問題を初めて取り上げて以降の経過を報告。「乗合」拒否の姿勢を改めようとしない損保ジャパン、三井住友海上を金融庁に呼び出し、基本的に「乗合」を承認する社内通達を出させるなど、改善が図られてきたことを紹介。さらに、金融庁が4月末、全国の地方財務局金融課がこの問題での相談を受け付け、本庁と連絡を取りながら対応することを求めた通知を出したことに触れ「金融庁は『民民』の契約でも“やれることはやろう”との姿勢になってきた。引き続き、各地の実例を伝え、損保会社に働き掛けてもらおう」と述べました。
 損保代理店の問題をいち早く取り上げてきた大阪損保革新懇世話人の松浦章さんが、16年、17年と「損保代理店の声を届ける院内集会」を超党派で開催し、事前の参加確認を大きく上回る100人超の参加で盛り上がったことを紹介し、「全国的にいかに広げるかが課題」と述べました。
 実態交流では、「16年は109ポイントだったが、17年は100.9ポイントに下げられた。1ポイントが約54万円相当なので、赤字決算に」(長野・飯田)、「高齢過疎の地域では車がないと暮らせない。地域の代理店はライフラインの一翼を担っていると自負するが、損保会社は全く評価しない」(長野)、「4年前、娘婿に事業を引き継ごうと雇い入れたが、手数料減で育てるのが困難になり、結局、よその代理店で修業することに」(埼玉・川口)、「商工新聞の特集記事(17年11月27日号)を“どうしてもみんなに知らせたい”と、地域の代理店46店に配った。全商連第53回総会方針案や私たちの要求案にも取り上げられ、感激している」(札幌東部)などと活発に意見交換しました。
 町工場を営み、この問題を初めて知った参加者は「商売を始めて50年。自動車保険も火災保険も全部一つの代理店に任せているが、大丈夫かと不安になる。人ごとじゃない」(千葉・佐原)、「こうした懇談会が全国にもっと広がれば、友達にも教えられる」(千葉・船橋)との感想も出されました。
 全商連の中山眞常任理事は「代理店の実態アンケートや懇談会など、各地で損保問題の取り組みを強めてほしい。業者にとって、代理店は切っても切れない関係。“信頼できる、地域の代理店を守れ”の声を広げていこう」と呼び掛けました。

「相談乗り対応する」全商連の要請に 金融庁が回答

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全商連の要請書を金融庁に手渡す鎌田副会長(左)

 「損保代理店からの相談に乗り、誠実に対応すること」を求める全商連の要請に対して、金融庁は「まずは、各社と代理店の当事者間で話し合ってもらう問題だが、損保会社が応じない、当局に伝えたい要望がある場合は、実態把握の一環としてお話を伺い、こうした声があると会社に伝達することは可能」と表明しました。
 大門参議院議員の質問もあり、金融庁はこの間、ヒアリングを実施し、保険会社との意見交換会(17年9月)を行ってきました。その中で「全国の代理店から、手数料ポイント制度に対して、さまざまな声が挙がっている現状を踏まえ、我々からのフィードバックも参考に、当事者双方にとって納得のできる手数料ポイント制度となるよう、真摯に考えてみていただきたい」「(代理店乗合承認について)代理店に対する対応について、真摯に考えてみていただきたい」と損保会社に伝達してきたことを紹介。「各社が何らかの検討、対応をしていると期待している」と述べました。
 参加者から「手数料ポイント制度について、代理店から対等な立場で話し合うことは難しい。金融庁も話し合う場を後押ししてほしい」「手数料は最盛期の3分の1。保険会社の入社3年目の営業職員から『今年のポイントはこうなりました』と通知されるだけ。会社のどこと交渉すればいいのか」などの実態を紹介。「今後もこうした機会を持ち、代理店の要望を聞いてほしい」と、引き続く対応を要請しました。

6月8日にシンポ 大阪損保革新懇 大阪市内で
 大阪損保革新懇が、代理店の現状と未来を考える「損保代理店シンポジウム」を開催します。
 大門実紀史参議院議員が国会報告。シンポジウムでは、滋賀県代協会長の大谷和之さん、「保険毎日新聞」記者の森隆さん、日新火災海上・元近畿損害サービス部部長の中村正行さんをパネリストに迎えます。
 6月8日18時30分〜、エル・おおさか南ホール(大阪府立労働センター南館5階、天満橋駅)、資料代1000円。
 問い合わせは、大阪損保革新懇・代理店プロジェクト(TEL06・6232・1095)。

全国商工新聞(2018年5月28日付)
 
   

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