全商連トップページ
中小施策 税金 国保・年金 金融 経営 業種 地域 平和・民主 教育・文化 県連・民商 検索
 全商連とは活動方針・決議署名宣伝資料調査婦人部青年部共済会商工研究所発行案内入会申込リンク
  トップページ > 税金のページ > 不公正税制 > 全国商工新聞 第3125号6月30日付
相談は民商へ
 
 
税金 不公正税制
 

納税者の権利確立を・税務行政問うシンポ開催=不公平な税制をただす会

Photo
「税務行政のあり方を問う!」をテーマに開かれた不公平な税制をただす会のシンポジウム

 全国商工団体連合会(全商連)も加盟する不公平な税制をただす会は6日、「税務行政のあり方を問う!」をテーマにシンポジウムを開催しました。税理士や弁護士、中小業者ら53人が参加。憲法に基づく納税者の権利の確立の重要性や国税通則法「改正」後の税務調査の問題点、強権的な滞納処分とのたたかいなどを議論しました。
 パネリストは浦野広明、本川國雄、大野寛の各税理士と、全商連税対部長で愛知県商工団体連合会の服部守延副会長の4氏。

 憲法上の要請
 浦野税理士は憲法が規定する租税法律主義(84条、30条)と申告納税制度の意義を説明し、「税務職員は『必要があるとき』にしか調査権限を行使できない。調査を行う上での納税者への事前通知と調査理由の開示は、憲法の適正手続きの要請。この二つがないものは憲法違反である」と強調しました。
 本川税理士は「税務署は机上調査と行政指導を組み合わせて納税者との接触を増やしているが、これは実質的な税務調査であり、事前通知との関わりが問題となる」と指摘。納税者に税務調査の対象期間を3年と事前通知しているのに、反面調査先では6年もさかのぼって調べている不当事例を紹介し、「反面調査の対象期間は納税者への調査に準ずるべきだ」と述べました。
 大野税理士は、預金口座に振り込まれた児童手当の差し押さえは違法と認定した広島高裁判決の意義を語り、「判決を受けて総務省が各県に通知を出し、鳥取県をはじめ多くの自治体で『滞納処分の取り扱い要綱』が見直された。国税庁も臨時福祉給付金を原則差し押さえない、との指示文書(別項)を出している」と報告しました。

 応能負担貫け
 服部税対部長は、徴税を強める地方行政に徴収猶予など納税緩和措置や国保料(税)の引き下げや減免などを認めさせてきた民商のたたかいの教訓を紹介。「根本的には応能負担や生活費非課税の原則に基づく税制の確立が急務。基礎控除や配偶者控除、扶養控除を引き上げ、所得税の課税最低限を少なくとも生活保護水準まで引き上げるべきだ」と語りました。
 質疑では国税通則法の規定通り税務署長名の文書による事前通知を徹底することや、不当な反面調査を許さない運動の必要性が語られました。
 パネリストの発言や質疑を受けて鶴見祐策弁護士が法律的観点から助言をしました。
 ただす会の代表幹事の河野先税理士が閉会あいさつ。「外形標準課税の適用拡大が政府内で急浮上し、中小企業団体から反対の声が上がっている。憲法理念に立ち返った運動が大事」と語りました。

(別項)非課税・生活保護世帯への給付金差し押さえず
国税庁が指示文書

 指示文書は国税庁徴収課長名の「臨時福祉給付金(簡素な給付措置)等の差し押さえについて」(4月8日付)。行政文書開示請求により、大野寛税理士が明らかにしました。
 消費税率の引き上げにより、市町村民税(均等割)が課税されていない者などに支給される臨時福祉給付金と子育て世帯臨時特例給付金を受ける権利を「原則、差し押さえは行わない」と指示しています。
 臨時福祉給付金の支給対象者は、市町村民税(均等割)が課税されていない者((1)市町村民税〈均等割〉が課税されている者の扶養親族等(2)生活保護制度内で対応される被保護者等―を除く)。支給額は、支給対象者一人につき1万円(条件により加算あり)。
 子育て世帯臨時特例給付金の支給対象者は、基準日(平成26年1月1日)における平成26年1月分の児童手当の受給者であって、平成25年の所得が児童手当の所得制限に満たない者。支給額は対象児童一人につき1万円。
 いずれの給付金も支給対象者が住所地の市町村への申請が必要となっています。
 国税庁の指示文書では「臨時福祉給付金及び子育て世帯臨時特例給付金を受ける権利は、法律上、差し押さえは禁止されていないものの、その制度趣旨に鑑み、臨時福祉給付金等を受ける権利については、原則として差し押さえは行わないこととする」としています。また、預金について、「例えば、預金残高のない預金口座に臨時福祉給付金等が振り込まれるのを待って差し押さえるなど、臨時福祉給付金等を狙い撃ち的に差し押さえることがないよう留意する」としています。

全国商工新聞(2014年6月30日付)
 

相談は民商へ
ページの先頭