全商連トップページ
中小施策 税金 国保・年金 金融 経営 業種 地域 平和・民主 教育・文化 県連・民商 検索
 全商連とは活動方針・決議署名宣伝資料調査婦人部青年部共済会商工研究所発行案内入会申込リンク
  トップページ > 経営のページ > 経営 > 全国商工新聞 第3304号3月19日付
相談は民商へ
 
 
経営
 

公募開始 ものづくり・持続化補助金=兵庫・はりま中央民商

事業計画つくり経営も分析 「自社成長のチャンス」

Photo
ものづくり補助金を活用し、「オチナイン」を開発した上山さん

 中小企業・小規模事業者のものづくりを、国が支援する「ものづくり・商業・サービス補助金」(ものづくり補助金)の公募が始まりました(4月27日まで、表)。兵庫・はりま中央民主商工会(民商)の有限会社峰精密金型製作所=プラスチック金型製造=を兄弟で営む上山陽作さんは、2014年度にものづくり補助金1000万円を獲得。ネジ落下防止便利工具「オチナイン」を開発し、1年前から販売を開始しました。「補助金を通じて自社の経営の分析力もついた」と商売の展望を広げています。

Image

ネジが落ちないオチナイン開発
 上山さんが開発した「オチナイン」は、電動ドライバーを使用する際に特殊材を使って工具内でネジをキャッチし、締め終わったら自動的に外れる画期的なシステム(実用新案取得)を採用し、ネジが落ちることなく、作業効率をアップできるもの。磁性がないステンレスネジにも対応するのが売りで、電子機器や制御盤など絶対にネジを落とせない場所でも大活躍します。
 「ワンタッチでネジが交換できるので、ヘビーユーザーであるプロの職人さんの要望もクリア。外観は3次元形状のスタイリッシュな流線形フォルムで、持っているだけでオシャレだとDIYユーザーにも好評です」と上山さんは胸を張ります。
 創立47年を迎える峰精密金型製作所ですが、もともとは完全下請け。8年ほど前から自社製品の開発を行い、下請け型事業から自立型ビジネスモデルへと変えてきました。
 ものづくり補助金に挑戦するまで、経営計画を練ったことはなく、補助金を知った際も、「綿密な事業計画書や採択後も細かな書類提出が必要で、手間がかかり大変そう」と考えていました。しかし、マシニングセンタの導入や試作開発費への補助金を受け、温めていたアイデアを形にするチャンスと挑戦を決意。商工会議所のセミナーで事業計画書つくりのノウハウを学びました。「補助金の計画書は締め切りまでに作らざるを得ないし、公共機関の専門家が詳しく添削してくれるのも力になった」と振り返ります。
 特に印象に残っているのは、「自分中心ではなく第三者を意識して、強みや事業の効果を客観的・具体的に示して」というアドバイス。新商品の新規性や優位性、プロから一般ユーザーまで市場のニーズを知るといった商品開発について、必要な分析力を養うことにもつながりました。
 ものづくり補助金での経験を生かし、小規模事業者持続化補助金(5月18日まで、表)にも挑戦し、釣り具、工具、建築資材の補助事業について3回申請し、すべて採択を受けました。

申請きっかけに営業の幅広がる
 補助金申請をきっかけに、営業も大きく変化。培った分析力はカタログやチラシ作製にも役立ちました。また、「オチナイン」は、複雑なパーツを組み合わせているため、技術をアピールする宣伝ツールとしても活躍。これまでは1社のみだった問屋も3社に増加しました。新規開拓時に「技術力のある金型屋だね、と言われるとうれしい」と笑顔を見せます。
 「補助金は自社と自分、商品も成長できるチャンスを与えてくれる制度」と上山さん。昨年12月には、近畿経済産業局から経営力向上計画の認定も受けて、取引先の信頼をさらに広げています。今年は過去にものづくり補助金に採択された企業向けの展示会(大阪・秋〜冬ごろ)にも出展を予定しています。
 「新たなビジネスマッチングが期待できそう」と明るく語っています。
▽加西市別府町申354 TEL0790・47・1312

全国商工新聞(2018年3月19日付)
 
   

相談は民商へ
ページの先頭