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  トップページ > 税金のページ > 確定申告(自主計算) > 全国商工新聞 第3108号2月24日付
相談は民商へ
 
 
税金 確定申告(自主計算)
 

今年の確定申告 税務署の注目点 「備え」は民商で

納税者サービスは後退
税理士 本川國雄さんが指摘
 今年の確定申告や税務調査をめぐる税務署の動きや注意点を東京税財政研究センターの本川國雄税理士に聞きました。

申告と調査同時並行で
 東京国税局は、税務署に確定申告会場の設置を2月に遅らせて、従来行っていた納税相談の日数を減らすように指示しています。税務署では税務調査と確定申告の相談が並行して行われ、確定申告会場では、署員が立ったまま対応(ハイカウンター方式)し、納税者を長時間居させないようにしています。
 東京国税局はここ数年、所得税の確定申告後の事務を省略し、4〜6月の調査事務日数確保の強化を税務署に指示してきました。しかし、昨年1月の「改正」国税通則法の実施により、実地調査件数が大幅に減少しました。
 そのため今年は、従来4〜6月に行っていた4種類の事後処理事案(表1)のうち、還付保留事案と増額事案だけをこの3カ月間で処理し、あとの二つは7月以降に処理する方針のようです。これは納税者に税金を還付する減額更正などを後回しにして調査日数を確保し、実地調査を優先させるという方針です。納税者へのサービス切り捨てと調査第一主義のあらわれです。

図:確定申告期をめぐる税務署の動き

表1:4種類の事後処理事案

中低階層に狙い定めて
 「お尋ね文書」などの行政指導や呼び出しによる机上調査を組み合わせ、接触率を高めることにウエートを置き、人事異動(7月10日)までは、調査件数を上げやすい中低層階級の事業者などを狙っています。実地調査件数の向上を至上命題としているのです。
 昨年、特に力を入れた不動産所得関連で調査未済事案や資料箋など有効な情報のある事案を今年4〜6月で優先的に実地調査するようです。そのための調査対象の選定をすでに1月から始めています。

申告時期に注視する点
 今年の確定申告で税務署が注視しているのは、(1)不動産所得、雑所得、事業所得などの赤字を他の所得と損益通算し、還付申告または税額を減少させている事案(2)収支内訳書が未提出あるいは確定申告書に収入金額を記載せずに還付申告をしている事案などです。還付申告に相当目を光らせていると言われています。
 加えて、(3)復興特別所得税の計算誤りは「1円でも是正の対象」としています。大企業には復興特別法人税を1年前倒しで廃止しておきながら、庶民からはわずかな税金もむしり取るという姿勢です(表2)。

表2:今年の確定申告で税務署が注視している点

消費税巡る対応の特徴
 国税庁の消費税調査に関する平成25事務年度(2013年7月〜14年6月)方針では、個人課税部門において「消費税調査の質の向上」を掲げ、消費税の無申告者の洗い出しに力を入れています。
 消費税調査の選定では、例年通り今年も無申告事案や「収入金額が1000万円を少し下回る者」や「収入金額が5000万円を少し下回り、簡易課税を選択している者」などが対象になっているようです。

「税金」は自分で決める 好評です民商の自主申告
 確定申告期を迎え、各地の民主商工会(民商)では中小業者らが集まって話し合い、税金の計算や申告書の作成を進めています。正確な申告や経営の向上、税務調査対策にもつながる民商の自主計算・自主申告の活動が好評です。

記帳義務化の備えも=愛媛・今治民商
 愛媛・今治民商は1月下旬から地域の公民館や民商事務所で「春の運動・確定申告学習会」を開催し、2月中旬からは「確定申告計算・申告書作成会」を行っています。
 学習会では全商連作製の「春の運動」DVDで各地の民商の取り組みを見たあと、自主計算パンフレットで、経営を脅かす消費税や1月からすべての白色申告者にも課せられた記帳義務化の問題点や対応策を学びます。
 民商に入会し、仲間の立ち会いで税務調査を無事に終えた会員の教訓を聞き、参加者は「自主記帳がしっかりしていれば、自信を持って対応できる」「商売にあった帳面を無理のないように付けていこう」と、「税務調査についての10の心得」を確信にしています。
 自主記帳をもとに税額計算を行った多くの会員は、公民館や会員の自宅に集まり、申告書を書き上げ、3・13重税反対全国統一行動の集団申告に備えています。

基礎から学び法人へ=石川・金沢白山民商
 石川・金沢白山民商の会員=美容=は、民商の自主記帳・自主計算を経営の向上につなげ、確定申告の準備も万全です。
 3年前に美容院を開業した当初、確定申告の実務までは理解していませんでした。友人の民商会員の勧めで入会し、基礎から記帳を学び1年目の確定申告を終えました。
 2年目からはパソコン記帳ができるようになり、3年目の今年は決算や年末調整もマスターしました。帳簿から売り上げと経費のバランスを見て必要なシャンプーやリンスなどを発注したり、顧客の来店数やサービス内容を分析することで、経営を向上させています。今年は株式会社を立ち上げる予定です。
 「記帳を積み重ねることで数カ月先の経営対策も考えられ、商売への安心感も生まれる。お客さまの要望を聞き取り、丁寧なサービスを心がけ、顧客数が増えている。確定申告にも自信を持って臨める」と笑顔を見せていました。

全国商工新聞(2014年2月24日付)
 
   

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