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  トップページ > 税金のページ > 徴税攻勢 > 全国商工新聞 第3215号5月16日付
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換価の猶予申請し「納税の心配」解決=静岡県連・民商

分割納付で延滞税も軽減
 消費税など税金を一括で納められないときに払える額で分割納付できる「換価の猶予」制度の活用が広がっています。従来の税務署長の職権によるものに加えて、昨年4月に「申請型換価の猶予」が創設され、許可される件数も格段に増えました。静岡県内の民主商工会(民商)では申請書の書き方をみんなで学びながら集団で申請。認められた会員からは「延滞税の心配をせずに安心して分納ができる」との声が寄せられています。

消費税額増え納めきれない

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集団で換価の猶予申請を提出した沼津民商の仲間

 沼津民商は3月29日、4人が沼津税務署に換価の猶予申請書を提出しました。
 小林基子さん=建築土木=はこの日、消費税32万円を納め、残りの63万円について換価の猶予を申請。4月から来年2月までの間に10万円ずつを6回に分けて納付し、残りを7回目に納付する計画です。8月に予定納税で30万円ほど納付するため6月から8月までは納付額をゼロにしました。「機械の借り入れが完済するので、その分を納付に充てる」と説明し、申請したその場で認められました。
 12社ほどある取引先の2次下請けですが、消費税を完全に転嫁できず、昨年は、親戚から借り入れて60万円近くの消費税を一括で納付。「消費税が8%に上がった影響で一括では納められないと思っていた。申請書を書くのも思ったより簡単、多くの人に活用してほしい」と話しています。
 古川緑さん(仮名)=土木解体=も4月6日、換価の猶予が認められました。昨年は51万円の消費税を税務署に”お願い”して5回の分納にしましたが、年9.1%の延滞税がかかりました。「3月が近づくと、恐怖を感じる」と表情を曇らせる古川さん。3次、4次の下請けで消費税を上乗せできる状況ではありません。消費税の納税額は45万円を超え、「一度に納められない」と民商の学習会に参加しました。3月24日に三島税務署に換価の猶予申請書を提出。署員から「書類はパーフェクト」と太鼓判を押され、「民商で教えてもらった」と胸を張って答えました。
 3月から7月まで5回の分納計画を立て、4月から6月までは毎月10万円を納付します。「月10万円は厳しい」と感じましたが、できるだけ早く完納をと考えました。確定申告が終わった直後、夫が腹痛を訴え受診したところ盲腸との診断。今度痛みが出た時は入院でその費用が必要だからです。「夫は無駄なお金は使えないと薬で痛みを散らしている。私たちは命と引き換えに消費税を納めている」と古川さんは怒りをぶつけます。
 静岡民商も3月25日、8人が換価の猶予を申請。飯塚一郎さん=木工=は初めての申請です。仏壇の製作が中心で、伝票の上では消費税を転嫁できているものの、海外との価格競争に巻き込まれ、売り値は低いまま。消費税の負担が厳しい経営に追い打ちをかけています。今年の納税額は約34万円。これまで一括で納付してきましたが、1月から3月までの売り上げが昨年より3割ほどダウン。民商の学習会に参加して12回の分納計画を立てました。「製品開発に挑戦しなければ消費税に立ち向かえない。消費税は業者の営業をつぶす。若い職人が希望を持って仕事を続けるためにも、10%への引き上げは絶対反対」と力を込めます。

学習会開いて申請サポート
 静岡県商工団体連合会(県連)では今年62人が換価の猶予を申請し、13人が認められました(5月9日現在)。
 力になったのは1月14日に開いた全県事務局員会議。換価の猶予制度を学び、申請書に記入してみました。昨年、取り組んだ民商から「換価の猶予が認められて喜ばれた」との声が上がり、今年は県連全体で取り組もうと意思統一。14民商のうち11民商が学習会を開きました。西野雅好県連副会長は「消費税率8%が1年間にわたって課税され、納税額が昨年より1.6倍に増え、納税できないという声があちこちで上がった。換価の猶予の活用をさらに広げ、10%への引き上げは中止、5%に戻せの声を大きく広げたい」と話しています。

全国商工新聞(2016年5月16日付)
 

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