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  トップページ > 税金のページ > 地方税 > 全国商工新聞 第3069号4月29日付
 
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児童手当差押 違法判決で不当控訴=鳥取

 預金口座に振り込まれた児童手当の差し押さえ処分は「正義に反する」と断罪された鳥取県は12日、その鳥取地裁判決(本紙4月15日号既報)を不服として広島高裁松江支部に控訴しました。原告で鳥取民主商工会(民商)会員のTさん=不動産=や支援者からは怒りが噴出。控訴審でたたかう決意をしています。

怒り噴出
 鳥取地裁判決は、被告・鳥取県の違法な徴税業務の実態を認定し、「差し押さえ処分が取り消されなければ、児童の健全育成を目的とする児童手当法の趣旨と正義に反する。差し押さえ処分は権限を乱用した違法なもの」と断罪。被告である県に対し、児童手当を含めた差し押さえ相当額と国家賠償請求に基づく慰謝料の支払いを命じる画期的な内容です。
 判決の後、「『鳥取県児童手当差押え訴訟』原告を支援する会」=鳥取県民主商工会連合会(県連)、鳥取県労働組合総連合、鳥取県民主医療機関連合会、新日本婦人の会鳥取県本部、全日本年金者組合鳥取県東部支部で構成=は、判決を真摯に受け止め控訴をしないこと、及び今後の税務行政に生かすことを求め、県庁前での宣伝や県への申し入れを行ってきました。
 県の末永洋之総務部長は12日の記者会見で、控訴理由について(1)判決は本件預金債権が、差し押さえ禁止財産に該当しない、としながら違法と判断しており、最高裁判例を踏襲していない(2)判決には事実誤認がある ― などを挙げています。
 控訴の知らせを聞いた、原告のTさんは「強い憤りを感じる。県は、全国の税務行政に多大な影響が出ることを控訴理由に挙げているようだが、これは、児童手当を当て込んだ違法な徴税を今後も続けていくと言っているのに等しい。預金口座に振り込まれた児童手当や年金などを差し押さえられ、苦しんでいる人たちが全国にたくさんいる。その人たちのためにも、負けるわけにはいかない」と決意しています。

全面勝利目指す 鳥取県連会長 原告を支援する会代表・奥田清治さん

 控訴した鳥取県を許すことはできません。
 県の総務部長は「支援する会」が10日に控訴断念を申し入れた際、地裁判決について「反省すべきは反省し真摯に受け止める」と言っておきながら、その2日後に控訴に踏み切りました。まったく反省していないのではないか。
 控訴を受け、「支援する会」は、県の控訴理由を論破し満身の怒りを込めて抗議する声明を発表しました。引き続き、違法な徴税の実態を訴えるため、県庁前宣伝や地裁判決を詳報している商工新聞を活用した商店街宣伝に取り組み、学習を強めながら、Tさんを励まし全面支援する運動を展開していきます。
 中小業者や市民の怒りを結集し、鳥取県の「控訴取り下げ」あるいは「広島高裁での全面勝利」をめざして奮闘する決意です。
 全国の仲間の皆さんの支援を心から呼びかけます。

〈激励先〉鳥取県民主商工会連合会 
 Tel 0857-24-5191 / FAX 0857-29-7138
〈控訴取り下げの要請先〉鳥取県総務部総務課
 FAX 0857-26-8122
 鳥取県「県民の声」Eメール kenmin@pref.tottori.jp

日本共産党・佐々木衆議院議員が追求

国税庁、総務省が回答
 日本共産党の佐々木憲昭衆議院議員は15日、衆議院予算委員会分科会で、児童手当の差し押さえ処分を違法とした鳥取地裁判決を受け、法律で禁じられている「差押禁止財産」の差し押さえ処分をやめるよう全国に徹底せよ、と迫りました。
 佐々木議員は2009年の国会質問で、当時の与謝野財務大臣が「児童手当は子どもの養育に使う目的に達せられるべきだ」と述べ、差し押さえで児童手当を使用できなくすることも禁止される、と言明したことに触れながら、「国税当局は現在も同じ立場か」とただしました。
 国税庁の岡南啓司徴収部長は「財産の差し押さえでは滞納処分に関する法律を一律形式的に適用するのではない。例えば、残高のない預金口座への児童手当の振り込みを狙い撃ち的に差し押さえて、具体的に支給されたものが実際に使用できなくなるような状態にするのは、差し控えるべきだ。この考えに変わりはない」と答弁しました。
 佐々木議員は鳥取地裁判決や千葉県長生村が老齢年金の入金直後に差し押さえをし、滞納者が餓死した事件などに触れながら、「差押禁止財産の入金を狙い撃ちするような差し押さえ処分をすべきではない。預金口座に振り込まれれば差し押さえができると徴収現場で浸透しているのが問題だ。児童手当など差し押さえを禁止している法律が、実質的に無効化してしまうのではないか」と厳しく追及しました。
 新藤義孝総務大臣は「問題意識を共有したい。全国の税務担当の課長会議などで滞納処分で生活を著しく窮迫させる恐れがあるときは、執行を停止することができると発言をしている。この趣旨を踏まえて対応する必要がある。徹底するよう働きかける」と答えました。

全国商工新聞(2013年4月29日付)
 
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