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  トップページ > 活動のページ > 全国商工新聞 第3250号2月6日付
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マイナンバー 「不記載でも受理する」
社会保険料滞納「丁寧に相談に乗る」
建設小企業・一人親方「国保・年金加入者は排除せず」
全中連交渉(2017年1月26日)に各省庁が回答

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厚生労働省に要請書を手渡す全中連の富塚昇代表幹事(左)

 全国中小業者団体連絡会(全中連)は1月26日、中小業者国会総行動を取り組みました。全国から1100人が参加し、国税庁と中小企業庁前宣伝を行い、7省庁と交渉した後、国会に向けてのデモ行進や地元国会議員への要請、国会前集会を開きました。省庁交渉の主な回答を紹介します


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全国商工新聞(2017年2月6日付)


全中連が7省庁と交渉 地域経済再生で景気回復を

 全国中小業者団体連絡会(全中連)が1月26日に取り組んだ国会総行動では国税庁など7省庁と交渉しました。「マイナンバー(個人番号)の記載がなくても書類を受理する」「国保料(税)などの納付相談はきめ細やかな対応をする」「住民税の決定通知に番号を記載しない自治体への罰則はない」などの回答をあらためて引き出しました。

【厚労省】保険料滞納の対応で丁寧に相談に応じる

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厚労省交渉では国保料(税)や社会保険料の滞納徴収の過酷な実態を告発し改善を要請

 国民健康保険課は、国保料(税)の滞納徴収について「市町村が納付相談により、分割納付などきめ細やかな対応を行う。生活を著しく逼迫させる恐れがある場合、滞納処分を執行停止する仕組みがある」と回答。
 年金局事業管理課は「保険料納付が困難な事業所に直ちに差し押さえ等の滞納処分を実施するのではなく、まずは電話や文書による納付督促を行う。それでも困難な場合、面談を行い、経営状況や将来の見通しを丁寧に聞き、納付猶予や分割納付の相談に応じる」と回答しました。
 日本年金機構も「納付(納税)の猶予制度(国税通則法第46条)および換価の猶予制度(国税徴収法第151条)については、法令に基づく対応を各年金事務所に周知徹底している。事業主からの相談に丁寧に対応するよう引き続き指導する」と述べました。
 参加者は「自営業者の約6割が年所得300万円以下。生活保護水準の滞納者には滞納処分を停止する仕組みを国がつくるべき」(静岡県)、「社会保険料滞納で売掛金62万円をいきなり差し押さえられた。“丁寧な相談”と全くかけ離れている」(神奈川県川崎市)などの実態を告発しました。

【国税庁】マイナンバー問題 未記載に不利益ない

 マイナンバー(個人番号)記載問題や税務調査の「事前通知」徹底など税務行政の改善を求めました。
 今年から確定申告書などに個人番号の記載強要が懸念される中で、不記載でも書類を受け取ることや不利益な処分をしないことを要求。「記載がないことをもって書類の収受をしないことはない。税法上、不記載による罰則もない」とあらためて回答しました。
 鳥取税務署が、税務調査終了後に納税者の動向を監視・偵察する行為を「動向確認」と称し、「一般的に行っている行為」と回答した問題について、「動向確認については知らない。国税庁として指導はしていない」と回答。国税庁も把握していないところで、納税者のプライバシー権を侵害する行為を、公然と行っている実態が明らかになりました。
 岩手・花巻税務署が税務調査で、税理士名簿を提示し、民商脱会を勧めた問題について、「どのような組織に所属していても干渉するものではなく、納税者に脱会を強要はしない」と回答。「税理士名簿を提示しただけでは違反にならない」としました。
 しかし、各地で強要された事例が発生していることや、税務相談で電話をした時にも署員から脱会を勧められた実態を突き付けると、答弁不能に。税理士名簿の提示も国家公務員の再就職等規制に抵触すると抗議しました。
 参加者は「事前通知もなくオートロックをすり抜け納税者に接触してきた」「調査開始日より前に税務署に呼び出し、調査終了手続きを行った」など違法・不当な事例を告発し、税務署に事実確認することを要請しました。

【総務省】通知書の番号不記載で自治体に罰則ない

 マイナンバー(個人番号)制度の問題や徴収問題で総務省の姿勢を追及しました。
 住民税の特別徴収決定通知書(特別徴収義務者用)に個人番号を記載して事業者に送ろうとしている問題で、「通知書に番号を記載しない自治体にペナルティーをかけないこと」を要求。省側は「番号を記載しないことで法的な罰則はない」と明確に答えました。
 また、参加者は「番号を知られたくないという従業員もいる。承諾なしに番号を事業者に送りつけるのはやめるべき」「普通郵便で配達しようとしているが、誤配などで番号が漏えいした場合、誰が責任を取るのか」など問題点を指摘しました。
 また、個人番号が記載されていない「給与支払報告書」などの書類に、自治体が番号を記載して再提出するよう求める文書を出している問題について「番号が記載されていなくても書類を受理すること」を求めました。省側は「この場では答えられない」との態度に終始したため、参加者は「内閣府や国税庁は番号を記載しなくても書類を受理すると明言している。総務省だけがなぜ『受理する』と答えられないのか」と抗議。後日、回答することを求めました。
 地方税の滞納処分について、省側は「生活が困窮する場合は滞納処分をやめることができる。滞納者の個別・具体的な実情を十分に把握することを都道府県の税制担当課宛に通知し、都道府県の税制担当者会議でも徹底している」と回答しました。

【中企庁】小規模経営支援として持続化補助金継続へ努力したい

 「小規模事業者持続化補助金の継続」の要望について、中小企業庁担当者は、4回連続で予算を取り120億円、延べ6万者に利用してもらっているが、小規模への経営支援として今後も継続できるようにしていきたいと述べました。
 「社会保険料負担軽減への支援」については、関係省庁と協議していきたいと述べるにとどまりました。
 東日本大震災被災事業者の仮設店舗から本設への支援や買い物難民対策については、宅配サービスへの補助などはあるが、各自治体にきめ細かく積極的な対応を求めていきたいと述べました。

【国交省】社保加入問題ただす 4人以下は義務ない

 加入義務のない小規模事業者に対する加入強要をやめること、また、設計労務単価引き上げが末端にまで行き渡るよう、労務単価の実態調査を行うよう求めました。
 同省は「従業員4人以下の事業所(個人)、一人親方は社会保険への加入義務はない」と明言。一人親方については「国民健康保険と国民年金に加入していれば、現場から排除しない」ことをあらためて確認しました。
 「法定福利費の別枠計上」の実態調査については、実態を把握するためのアンケート調査や研修を行っているとしたものの、研修の内容は「見積書作成のアドバイス」に過ぎないことが明らかになりました。
 参加者は、新日鉄住金の現場では、社会保険の加入対象でないにもかかわらず、加入を事実上強要している実態を告発。また、親会社に「言いたいことが言えない」実態を国交省として正確に認識し、元請けを指導するよう要望。「公共工事設計労務単価」についての注意書きで「支払賃金を拘束するものではない」との表現については「削除すべき」と求めました。
 住宅耐震化について「耐震化コストの負担軽減は重要」と回答するとともに、防災・減災対応についても「業者の選定基準を明確にし地元業者に発注できるよう指導している」と答えました。住宅エコリフォームの支援については、一戸当たり30万円の助成措置をとっていること、住宅ストック循環支援事業に250億円計上していることなどを明らかにしました。

【金融庁】保証制度の活用の指導など融資の円滑化に努める

 担保や人的保証にとらわれずにきめ細やかな融資に努めることなどを、金融機関へ働きかけるよう要求。金融円滑化法の精神は今後も変わらず、円滑な資金供給や貸し付け条件の充実に努めることや、保証や担保に過度に頼らない「経営保証に関するガイドライン」の周知徹底に努めることを確認しました。
 金融機関窓口で高金利のフリーローンが勧められている問題について、「自己破産につながる。金融機関のコンサル機能を果たしていない」とただしたことに対し、「実態把握を始めた」と回答。また、「信用保証制度は事業者を補完する重要な役割があり、金融機関には、制度を活用しながら事業者に寄り添うよう指導する」「住民の生活や雇用、インフラを支える事業所に対して、成長可能性がないという理由で融資しないとはならない」としました。

【財務省】「滞納増加の消費税は欠陥税制」の指摘に答えず

 消費税率10%増税の中止や大企業優遇税制の是正、軽減税率導入・インボイス制度はやめることなどを要望。
 消費税については「少子高齢化と社会保障財源の確保のために必要」と従来通りの見解を繰り返しましたが、「新規滞納税額の64%が消費税。制度設計の欠陥だ」との指摘に答えることはできませんでした。
 今回初めて主税局参事官室の国際租税担当官が応対し、「租税回避は税の公平を損なう。OECDやG20諸国と連携し足並みをそろえて対応し、情報共有などを進めている」と答えました。
 参加者は「年金を取り崩して消費税を支払う現状、生活費に税金がかかり非常に重税感がある」「10%増税を2年半伸ばしても現状は先送りされるだけ。(増税後の)28年間で社会保障は充実されていない」と訴えました。

全国商工新聞(2017年2月13日付)
   

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