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  トップページ > 調査 > 全国商工新聞 第3216号5月23日付
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調査 動向調査
 

16年上期営業動向調査
消費税8%の影響重く、売上・利益が2期連続減

全業種で単価DI悪化
 全商連付属・中小商工業研究所はこのほど、「2016年上期(3月)営業動向調査」をまとめました。経営の重要指標である売り上げ、利益の各DIは2期連続で減少し、単価・マージンは全業種で落ち込みました。なかでも、食料・繊維・木製品・印刷関連製造業と金属製品・機械器具製造業(製造2業種)、宿泊・飲食業については売り上げ・利益の両DIの落ち込みが顕著でした。直近の事業年度の売上高が低い中小業者ほど消費税を価格に転嫁できておらず、「経営上困っていること」の問いに対して「消費税問題」と回答した割合は4割を超え、消費税が経営を困難にしています。

 売上DIは15年上期▲35・7→15年下期▲38・1→16年上期▲41・3と2期連続で減少しました。最も落ち込んだのは宿泊・飲食業で前期比マイナス19・2ポイントでした。金属製品・機械器具製造業は15年上期▲14・2→15年下期▲26・2→16年上期▲40・2と、2期連続で2桁減少しました。金属製品・機械器具製造業は、リーマンショック後の10年下期以降、売上DIの動向をけん引してきたたものの、今期は全体(▲41・3)と同水準まで落ち込みました。
 金属製品・機械器具製造業者からは「消費税が8%に増税されてから売り上げが落ち込むばかりだ。全く回復してこない」「8%になってじわじわと売り上げが下がってきた。消費税が10%になれば商売として成立しないと思う」など切実な声が寄せられています。
 単価・マージンDIは▲19・2と、前期に比べ2・3ポイント下降。全6業種での下降となり、これは01年上期までさかのぼってもなかったことです。
 利益DIは15年上期▲47・0→15年下期▲49・9→16年上期▲50・8と2期連続で減少しました。利益DI減少業種は5業種に上り、増加業種は1業種にとどまりました。最も落ち込んだのは、食料・繊維・木製品・印刷関連製造業の前期▲49・1→▲60・9で11・8ポイント減少。金属製品・機械器具製造業も前期▲39・4→▲45・0と5・6ポイント減少しています。製造2業種の利益減少要因として単価・マージンの下降が指摘できますが、これには消費税をめぐる取引先からの値引き強要の問題が影響しています。

 図1は、事業所として見積もり基準を持っていると回答した製造2業種(96者・社)が、取引先から値引きを強要されるか、否かを聞いたものです。「時々強要される」「強要される」を合わせると、食料・繊維・木製品・印刷関連製造業70・9%、金属製品・機械器具製造業61・2%にも上ります。この中には、形式上、消費税を転嫁していても、実質的には消費税分あるいはそれ以上の値引き強要が行われている取引があります。具体例は表。これは利益減少の要因となる不公正取引です。


図

表

全国商工新聞(2016年5月23日付)
 
 

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