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  トップページ > 金融のページ > 融資等 > 全国商工新聞 第3201号2月1日付
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経産省金融WG 信用保証制度の縮小案 部分保証をさらに拡大

改悪反対掲げ運動=全商連
 信用保証協会の「一律8割」の保証割合のさらなる縮小など、信用保証制度の大幅な見直しを経済産業省・中小企業庁が進めています。全国商工団体連合会(全商連)は「信用保証制度は中小業者の資金繰りを支える命綱。いっそうの部分保証化は許されない」として、「縮小」を打ち出した金融ワーキンググループ(金融WG)報告の討議・学習をすすめ、自治体などへの申し入れを緊急に行うよう提起しています。

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 信用保証制度の見直しを検討してきたのは、中小企業政策審議会金融WGで、昨年12月16日、「中小企業・小規模事業者の発展に資する持続可能な信用補完制度の確立に向けて 中間的な整理(論点整理と方向性)」を発表しました。
中小業者の声 まったく無視
 信用保証制度の抜本的な見直しは全額保証から8割保証に移行した07年以来。中小企業・業者の「資金繰り」に大きな影響があるにもかかわらず「17年度以降に適用したい」と報道されるなど、中小業者の声をまったく無視したものとなっています。
 「論点整理と方向性」が打ち出したのは@保証割合(現行「一律8割」)の縮小A保証割合100%の「セーフティーネット5号(業況悪化業種に属する中小企業者支援)の「見直し」B小口向け「100%保証」の維持C保証料率の見直し―などです。
 「保証割合」の縮小では、ベンチャー企業など創業期の企業には保証割合を8割として「手厚く」支援する一方、開業から時間のたった企業には、金融機関の責任割合を高め、最終的には「保証からの卒業」を提起。論点整理は「事業者と金融機関がともに経営改善に取り組み続けるためのインセンティブ(動機づけ)を持たせる」ためとします。
 全商連は、@金融機関がリスクを避けるため、貸し出しを「入口」で排除する可能性があるA新規の保証付き融資はもとより複数の借り入れを一本化する借り換え融資も利用しにくくなるB自治体が実施している「信用保証付き」を条件としている制度融資活用のハードルが高くなる―などの問題点を指摘しています。
 「セーフティーネット5号」に関連して、「論点整理」が「見直し」の理由として挙げているのが@100%保証の場合、経営努力・経営支援が不十分となりかねないA中小企業の健全な成長発展・新陳代謝の観点から見直しを行うべき―というものです。
経済危機時に「5号」不可欠
 しかし本来、5号の趣旨は「資金繰りに窮する不況業種」を支援することであり、大型倒産や大規模な自然災害が相次ぐ中で、「最後の砦」として重要な役割を担ってきました。また、経済危機時の連鎖倒産を防ぎ、雇用維持や地域経済の活性化にも大きな役割を果たしてきたのが5号保証です。消費税の10%増税が既定路線化する中で、その役割は一層重要性を増しています。
 金融WGは5人の委員のほか、全国商工会連合会、全国信用金庫協会などがオブザーバー参加していますが、議論の中で「相対的に不確実性が高い中小企業に対する安定的な資金供給のために、信用保証制度が果たしている役割は極めて大きい」(全国信用金庫協会)などの意見も出されています。

 全商連は、「中小企業・小規模事業者の資金繰りに悪影響を及ぼす信用保証制度の『縮小』は断じてあってはならない」として、自治体、業界団体、金融機関に対し「信用保証のいっそうの部分保証化を許さず『金融の円滑化』を求める申し入れ」を全国で直ちに行うことを提起しています。
 【ページ下部の資料もご参照下さい】

全額保証の継続を 東京保証協会と懇談=東商連
 信用保証割合の「見直し」報道を受けて、東京商工団体連合会(東商連)は12月2日、保証割合の縮小に反対するよう求めるとともに、全額保証を残すことなど5項目で信用保証協会と懇談しました。上原譲副会長、竹原幸雄事務局次長、中央民商の東海林登事務局長が参加しました。
 @信用保証を縮小すれば、必要な資金を調達できなくなる中小企業・業者が増える。全額保証を残すよう国に働きかけることA中小企業・業者に対して、柔軟な姿勢で相談に乗ることB代位弁済となった保証債務については、当事者の要望を十分に踏まえた上で対応することC過去に代位弁済があり、残債がある場合や自己破産をして免責を受けている場合も新たな融資の保証対象にすることD従来通り、民商に信用保証委託申込書(申込書)を渡し、同席を認めること―を要望。
 応対した保証協会側は、保証割合の縮小について「報道以上の情報は聞いていない」と回答。代位弁済(信用保証協会が債務者に代わって返済する制度)となった保証債務については「求償権(保証協会が直接、債務者に代位返済分を請求できる権利)が発生するが、債務者の実情を踏まえて対応する」と答えました。
 求償権債務が残っている場合については「新規申し込みはできないのが原則」としながらも「事業が好転し、返済見込みが立つ場合は相談に乗る」「破産免責をしているだけで保証を断ることはない」と答えました。
 申込書の問題では、「渡すのは金融機関、中小企業団体中央会、商工会議所など公的機関のみ」とする一方、「支店と信頼関係を築いている民商もあると聞いている。そこに対してやめろとは言えない。各支店と信頼関係を築くようにしてほしい」と回答しました。
 保証協会の基本方針にもある「環境の変化に対応して事業展開していく中小企業者のニーズに的確・迅速に対応するため、より一層中小企業者の立場に立った運営を行う」との立場で対応することを求めました。

全国商工新聞(2016年2月1日付)

【資料】
「信用保証のいっそうの部分保証を許さず『金融の円滑化』を求める

 
   

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