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  トップページ > 地域のページ > まちづくり > 全国商工新聞 第3093号10月28日付
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大好評!「商店版リフォーム助成」申請 730件 4億円=群馬・高崎

 群馬県高崎市が創設した「商店版リフォーム」(まちなか商店リニューアル助成事業補助金)が、業者と地域に元気と明るさを与えています。制度の活用申請は730件を超え、申請金額も4億円を突破。視察や問い合わせは、全国24自治体に及び、近隣自治体に住む事業者からは「高崎に移りたい」との声も出るほど。その助成事業を活用した店はどう変わったのか。

 「本当に助かりました」。新しいエアコンを前に笑顔で語ってくれたのは、市内で中華料理店を営む夫妻です。
 今年6月、店舗の改装、設備にかかった費用の半分を助成するリニューアル事業(別項)を活用し、古くなったエアコン、製氷機などの設備を更新したばかりです。
 費用は総額160万円。半分が助成されるとあって、持ち出しは80万円ですみました。「エアコンは20年以上前に設置したもので、冷えなくなっていた。おかげで猛暑も乗り切れた」と夫。製氷機が壊れ、アイスピックで氷を砕き、お客に水を出していた妻は「仕事も楽になった。熱い厨房に立つお父さんの健康も心配だったので、店内が冷えてうれしい」。夫婦の会話も弾ませるリニューアルとなりました。
 「気持ちが変わったのが一番大きい」と話すのは、受付初日に助成を申し込んだホルモン焼きの夫妻です。
 土、日曜日はお客を断るほどの繁盛店。油が染みついた天井、床を張り替えたほか、畳敷きの小上がりをフローリングにかえ、和式トイレも洋式にしました。改装費用の総額は96万円。自己負担分は半分の四十数万円でした。
 「店内が明るくなって、みんなビックリ。常連客からは『店を間違えた』と冗談を言われるし、フローリングだと掃除も楽。仕事の意欲も違ってくる」と、明るい笑顔がさらに輝きました。
 酒処では、古くなった食洗機、焼き台、ガステーブルなどを更新。トイレも洋式にしました。150万円の総工事費で、自己負担は七十数万円ほど。新しい設備を使ったおいしい食材の提供で、お客と店主夫妻の話も弾みます。「隣の安中市に住む友人から『高崎に移り住みたい』とも言われました。こんないい制度は全国に広げてほしい」。妻の声はちょっと誇らしげです。

民商総会に出席 市町がひらめく

 今年4月に創設されたリニューアル助成事業は、受付初日の5月1日だけで108件の申し込みがあり、当初予算の1億円を3週間で突破。2回の追加補正で予算総額は4億4000万円になりました。最終的に申請件数は738件に達し、申請金額も予算いっぱい。今年度の受け付けは終了しています。

 活性化の打開策に
 「『いい制度だね、助かっている』と市民からも声をかけられる。地元の小さな業者を支援する制度をつくることこそ自治体の役割ですよ」と話すのは富岡賢治市長。高崎民商の定期総会や新春の集いにも毎回のように出席、業者の“生の声”にも耳を傾け、創業支援資金や小口資金の保証料全額補助制度を創設してきました。
 「実はこの“商店版リフォーム”が実現したのは、民商の総会に出て、住宅リフォーム制度の話を聞いたのがきっかけ。総会に出なければ思いつかなかったかもしれない」と、振り返ります。
 個々の店舗を支援するリニューアル助成ですが、榛名湖周辺の土産物店や街の中心部の商店街では「誘い合って」事業申請をする動きが生まれるなど、地域の連携を引き出す力にもなっています。
 高崎商工会議所の副会頭を務める株式会社ツナシマの綱島信夫社長は「リニューアル助成は近隣の商工会議所も注目している。商店街の活性化は全国共通の課題だが、その打開策を打ち出せないでいた。住宅リフォームに続くこの制度は金額的にも大きく、次の世代に胸を張って継がせようと後押しをしてくれる制度」と高く評価。同時に「この制度を活用した商店が、街全体の活性化にどうつなげていくか、が問われる」と強調します。
 高崎民商の今井政孝会長は言います。「富岡市長は来年度も商店版リフォームの予算計上を約束している。これを活用し、自分の店の商売と、商店街や地域経済の活性化をどう結び付けていくか。民商の真価を発揮するときです」

▼高崎市まちなか商店リニューアル助成事業補助金
 商業の活性化を目的に、商売を営んでいるいる人、これから営業を開始しようとしている人が対象(市外に本店があるチェーン店、フランチャイズ店は対象外)。対象業種は、小売り、宿泊、飲食サービス、生活関連サービス業(床面積が1000平方メートルを超える店舗は対象外)と幅広い。市内の施工業者・販売業者を利用し、店舗などを改善するための改装(20万円以上)や、店舗など用する備品を購入(1品1万円以上、合計10万円以上)した場合、その2分の1を補助する。1店舗当たりの補助上限は100万円。1回限り。3カ年の予定。

笑顔広がるビフォー・アフター

 商店リニューアル補助金を活用した高崎民商会員の実例を紹介します。

▼中華料理店
 新たに設置されたエアコン。「冷え具合もバッチリ。仕事もはかどり、熱い厨房も快適になって健康にもいい」と笑顔を広げているリニューアル補助金

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▼酒処
 ピカピカの焼き台でおいしい料理に磨きがかかる厨房。快適な洋式トイレになって、お客さんも笑顔です。

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▼ホルモン焼き
 「違う店に来た?」。常連から冗談も飛び交うほど、壁紙の張り替えとフローリングで明るくなったホルモン焼きの店内。

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全国商工新聞(2013年10月28日付)

 

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