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  トップページ > 熊本地震に関する緊急情報 > 全国商工新聞 第3259号4月10日付
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熊本地震から1年”ほっとできるひと時を”と被災地支援=京都・城陽久御山民商

仲間の要望つかみ活動継続
 「熊本地震の被災者にほっとできるひと時を」―。京都・城陽久御山民主商工会(民商)会員らでつくる支援サークル「絆」は3月24〜27日の4日間、熊本市と益城町の仮設住宅を訪れ、支援活動を行いました。得手を生かし、思いを込めた民商の支援活動は、2011年3月の東日本大震災の被災地から始まり、25回を数えます。

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京風うどんの炊き出しは「あたたまる」と喜ばれました。ざるを振って湯切りをするのは城陽久御山民商の内田公昭会長

 3月26日の支援活動は、60世帯が暮らす益城町・木山上辻仮設からスタート。集会所「みんなの家」には子連れや高齢者など、入居者が次々と集まってきました。「お布団欲しかったのよ」と喜ばれ、毛布や洗剤、お茶椀セットやおもちゃなどの無料バザーはあっという間に終了。京風うどんの炊き出しを仕切る城陽久御山民商の内田公昭会長は、50年間飲食業で培ってきた腕を振るいます。「どんどん食べてね」と入居者に声を掛けると「さすが、だしがおいしいわ」と会話が弾みます。
 縁側では、看護師が足湯マッサージ。「今一番したいことって何ですか」と高齢の女性に問い掛けると、「料理が好きなんだけど、この1年まともに包丁握ってないの。朝はインスタントのみそ汁、昼と夜は宅配のお弁当だから」と思いを語りました。
 「仮設では、まだお互い知らない人も多いんですよ。きょうは一軒一軒声を掛けて、外に出る機会をつくってもらってうれしかった」と話すのは入居しているNさんとKさん。10月まで体育館で暮らしていたKさんは「今はほっとしてますよ」と話す一方で、今後の住居の見通しが立たない状況に不安も。「仮設住宅の入居は2年が期限だし、復興公営住宅の話はまったく聞こえてこない。生まれ育ったこの町で暮らし続けたいけれど、家を再建するにもローンが組めない高齢者も多い」と言います。
 午後は、43世帯が住む安永東仮設を訪れ、「絆」代表のIさんがマジックを披露。要望に応え、大工2人が集会所の壁にドリルで穴を開け棚を取り付けると、自治会長のSさんが「よく集まって料理会をしているから棚があると助かる」と笑顔になりました。

小規模の仮設に心尽くし喜ばれ
 支援のコーディネートをしてきた熊本県商工団体連合会の事務局長は「支援やボランティアが入りにくい小規模仮設に来てもらえて助かった。棚付けや踏み台も作ってもらえ、心尽くしの支援に頑張る勇気が出る」と話します。
 城陽久御山民商の被災地支援活動は、東日本大震災から始まったもの。地域や業者のつながりを生かして物資を集め、11年3月28日から米や食料、自転車や生活用品などを宮城県気仙沼市や石巻市に届けてきました。13年5月の12回目以降、元看護師や元教員、女性団体有志などと支援サークル「絆」を結成しました。
 熊本支援は昨年10月に続いて2回目です。内田さんの店「市番」の送迎バスに11人のメンバーと物資、炊き出しに使う大鍋などを載せ、朝3時30分に京都を出発、約10時間走ってきました。支援から戻ると、さっそくニュースなどで被災地の様子を協力者に知らせ、次回の準備を始めます。生業を休み、活動を続ける民商会員の思いとは…。
 「支援させてほしい、また来させてほしい、その一心」と言うのは、N副会長=工務店=。「気仙沼の仮設で棚付け工事をしていたら、『息子がまだ見つかってなくて』『夫が亡くなって』とぽつぽつと泣きながら話してくれる。一緒に涙流しながら工事してね。被災地でこんな大変な思いしてるのに、俺は何してるんやって気持ちが込み上げた」と言います。
 婦人部のTさん=自然食品販売=は、これまで旅館やスナックなどさまざまな商売を経験。「何も分からない私が、ずっとお客さんに支えられて商売を続けてこられた。今までもらってきた恩を被災地で返しなさいって言われてる気がするのよ」。取引先に掛け合って協力してもらい、格安で仕入れたみそを訪問した全仮設に配布しています。
 先頭に立つ内田会長は言います。「ここまで続けてこられたのは、被災地に民商の仲間がいて、何が求められているかをつかんで支援ができたから。自らも被災しながら、周りの人たちのために頑張っている仲間を支えたい」

全国商工新聞(2017年4月10日付)
 
   

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