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西日本豪雨 民商が復旧支援に全力

全国に救援募金訴え 助成金など早急な支援を
 記録的豪雨に見舞われた西日本は、各地で土砂崩れや河川の氾濫が発生し、過去30年間で最悪の洪水被害に苦しんでいます。警察庁は12日、死者が14府県で200人に上ったと発表。依然として行方不明者は60人を超えています(共同通信)。全国商工団体連合会(全商連)は被災状況を掌握するとともに、全国に救援募金を呼び掛けています。被災地の民主商工会(民商)は被害に遭った会員を訪問して激励し、救援活動に全力を挙げています。

真備町 町の3割が冠水

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末政川の決壊地点の一つ。大量の水が家々を一気に破壊した

 西日本豪雨で町の3割が冠水した岡山県倉敷市真備町。水が引いた12日、同町を訪れると、大きな汗粒を流しながら、水を含んだ家財道具を出したり、泥水をかき出す住民やボランティアの姿がありました。
 道路沿いに数キロにわたって続くゴミの山。車の渋滞でホコリも舞い、マスクをした住民の姿も。「今日も暑いね」。日差しは容赦なく、住民の背中にささります。
 「このままでは町が消えてしまう」。流れる汗をタオルでぬぐいながら話してくれたのは、会員のYさん。同町川辺地区でヘアサロンを開いて23年になります。
 6日深夜、水が迫る中「これはヤバイ」と思って避難。家族全員無事でしたが、水が引いた9日朝に目にしたのは、ぐちゃぐちゃになった店舗兼自宅でした。
 ハサミ、ドライヤー、シャンプー…。すべて流され、残されたのは2台の散髪台。天井には1枚のCDが張り付いていました。「水が天井にまで届いていた証拠」とYさん。店の時計は、8日の午後1時30分を指したまま止まっていました。
 病院、スーパー、ガソリンスタンド、歯医者、商店、飲食店も冠水した川辺地区。「買い物に行く所さえなくなった」とYさんはつぶやきました。
 「バイク・自転車合わせ120台ほどが水に漬かった」と話すのは同町有井地区でオートバイ販売・修理店を経営するIさん、Hさん親子。店内全体が1メートル50センチほど冠水しました。
 「バイクはエンジンに水が入っているからダメ。自転車もベアリングが水に漬かっているから…。性能の保証ができない」と肩を落としました。
 工具類、コンプレッサー、ボンベ、電動自転車のバッテリーも水に漬かりました。「メーカーも心配して訪ねてくれたけど、ある会社は『明日の振り込み、お願い』と話して帰っていった」と苦笑い。「どこから手を付けていいのか。営業再開のめどもたたない」と、ため息をつきました。
 小田川の支流、末政川の堤防決壊の影響をまともに受けたのが、Sさん、Kさん夫妻が経営する家電販売店。社員4人を抱えています。
 近くでアルミ工場が爆発したこともあって6日深夜1時過ぎ、近くの小学校に避難。その後に末政川の堤防が決壊、大量の水が一気に押し寄せ、会社兼自宅を破壊しました。
 柱や壁はねじ曲がり、翌9日も水があふれ長靴を履いても近づけなかったといいます。車は5台ダメになり、コピー機、パソコンをはじめ事務機器は壊滅。顧客名簿も流され「すべてを失った」とKさん。
 「でもね、新入社員が辞めることなく、『一緒にやっていきたい』と言ってくれました。みんなと一緒になって新たな一歩を踏み出したい」と語ってくれました。
 地域再建の鍵を握る事業者への支援。東日本大震災後に創設された国・県の直接助成制度=グループ補助などは大きな力を発揮しました。
 先のYさんは言います。「西日本豪雨水害も広範囲で大きな水害。ぜひ同じような制度をつくってほしい。町が消滅してしまうかもしれないのだから」

大洲民商を見舞い 水と食糧を届ける=愛媛県連
 愛媛県大洲市では肱川が氾濫し、4600世帯が浸水被害に遭っています。川原光明・愛媛県連相談役は11日、被災した大洲民商の会員を訪問し、激励しました。川原さんがリポートします。

 「とにかく現状を見てください」。大洲民商のNさんから切羽詰まった声で連絡が入ったのは10日。翌日、周桑民商のMさんとYさんと一緒に水(2リットル×6本入)10箱とパン50個を車に積み込み、大洲民商に向かいました。
 事務局長の案内で、水とパンを届けながら被災した会員を訪問。副会長は気温34度を超える中、夫婦で汗まみれになって後片付けをしていました。「床上1.5メートルまで浸水し、家財道具のほとんどが流された」と表情を曇らせました。水道・電気は回復していましたが、通りの両側はゴミの山でした。
 仕出し弁当店のSさんは業務用冷凍庫(450万円)、食器棚、エアコン4台、冷凍庫内の50万円以上もの食材が全て駄目になり、車2台が水没。Aさん=美容室=は床上1.5メートルまで浸水し、壁は上の方まではがれ落ちていました。「水も電気も回復せず、掃除もできない」と頭を抱えていました。
 Oさん=石材店=は「浸水で家具類はほとんど使えず、工場の方は天井近くまで水が漬かり、機械類が全て壊れ、被害総額は1000万円を超えている」と肩を落としていました。
 Tさん=内装=は床上1.1メートルまで浸水し、商品が全滅。Yさん=自動車板金=も床上1.6メートルまで浸水し、断水が続いていました。「お客さんの車を高台に移動させ、急いで事務所に戻ると、自家用車がぷかぷか浮いていた」と話していました。
 Kさん=部品加工=は1995年に続いて今回は床上2.3メートルまで浸水。建物の中は使えない状態でした。

全国商工新聞(2018年7月23日付)
 
   

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