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  トップページ > 震災情報のページ > 全国商工新聞 第3174号6月29日付
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岩手県の被災地視察 自治体間で復興格差=全商連

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本設へ向け計画を進める大船渡市の夢商店街

 全国商工団体連合会(全商連)は先ごろ、5年目を迎える東日本大震災被災地が抱える課題をつかむため、岩手県を視察しました。
 宮古、大船渡、釜石、陸前高田の4市の職員や商店街役員らと懇談し、まちづくりや小規模事業者の本格復興支援について、意見交換。民間の「まちづくり会社」主導による復興の問題点と広がる自治体格差が明らかになりました。
 釜石市では、イオンを中核店舗にすえ、復興特区で中心市街地の活性化と新たな商業拠点の整備を進めてますが被災事業者の営業再開率は56・8%にとどまっています。地域商店や飲食店なども市街地開発事業計画の中に組み込んで、「まちづくり会社」が主導。
 大船渡市では官民連携の「まちづくり協議会」を設立。津波復興拠点整備事業は民間ディベロッパーが基本計画の立案等を進めています。テナント側の代表として協議会に参加する仮設の夢商店街の理事長は「20坪で内装・設備など1000万円以上かかると言われており、思った以上に負担が重い。共同店舗の方が大型店に対抗した魅力が発揮しやすい」と実態に沿った計画の策定を望んでいます。
 一方、営業再開86%の宮古市では、被災者と住民本位の復興計画づくりに力を注いでいます。
 「身の丈にあった復興プランにすることが肝心」と話すのは佐藤日出海・宮古市産業振興部長。全事業者に対するヒヤリングを行い、個別事情を考慮しながら計画を作っています。佐藤部長は「特に水産加工業の新製品開発・販路拡大を継続的に支援しなければ」と今後の見通しを話します。
 大規模な津波被害を受けた陸前高田市は、「生活・コミュニティ拠点エリア」「観光・広域客回遊エリア」「大型店専門店エリア」で商業を中心に市街地形成をする計画。震災以前の歴史的な商業・街並みの再現も構想し、調整が今年中に行われる予定です。
 視察を通じて「大事なことは国がすべて決め、予算と政策を通じて政府の意向を押し付けてきた」「ゼネコンなどが主体となって事業が行われ、復興事業が被災業者の復興につながるものになっていない」「震災の復旧・復興に成長戦略の視点が持ち込まれている」などの問題点が明らかになりました。
 事業者数や従業者数が半減以下のままの自治体もあるなか、「地方創生」で競争や再編が進めば、復興から取り残され、消滅する自治体が生じる懸念も出ています。
 国の拠出で各自治体に復興基金を創設するなど財源を与え、自治体が復興の主体になるよう軌道修正が求められます。

全国商工新聞(2015年6月29日付)
 
   

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