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  トップページ > 税金のページ > 消費税 > 全国商工新聞 第3115号4月14日付
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消費増税 つぶされてたまるか 怒りこめPOP書き換え=神奈川・青果店

 消費税率8%への引き上げが強行された1日、中小業者の大きな怒りが全国でわき起こりました。神奈川・横浜東民主商工会(民商)の大場輝行さん=青果小売=はこの日、税率引き上げに断固抗議し、全品非課税と増税中止を求める署名を訴える「急告」を店先に張り出しました。「50年続けてきたこの店を消費税につぶされてたまるか」と家族で力を合わせて立ち向かっています。

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税率アップに抗議して店先に張り出された「急告」

 「税率引き上げ反対の意思を示すためにきょうは全品非課税です。増税中止を求める署名にも協力してください」。京急本線鶴見市場駅のすぐそばにある有限会社大場青果の店内から聞こえてくる輝行さんの威勢のいいかけ声に応えて買い物客が次々と署名に応じました。

 税率8%に怒り広がる
 「みんな怒っているわよ。医療費の窓口負担が上がるし、年金は引き下げられる。何のための増税よ。庶民に犠牲を強いて他にばらまくんでしょ」と憤るのは、毎日買い物にやって来る神田陽子さん。店先でしばらく話し込み、大場さんにエールを送ります。「増税になると個人の店が大変になるでしょ。この店は品物が安いし、新鮮。つぶれたら私たちは困るのよ。頑張ってほしい」。
 創業してことしで50年。大場青果は長男・和広さん、友子さん夫妻が後を継ぎ、孫の北斗さん、星蘭さんも店を手伝うようになり、3代にわたって営業をつないでいます。
 店内は色鮮やで新鮮な野菜や果物がズラリ。お客さんの買う気を引き起こすようカラーコーディネートを考え、入り口から赤(トマト)、緑(キュウリ)、紫(ナス)、黄(レモン)を並べています。目に飛び込んでくる黄色のポップには大きな数字で価格を表示。お客さんにとってはうれしい値段です。「地域の人たちの台所をあずかる店として、これまで新鮮で安くて安全な野菜を届けてきた。そのことでは他の店には負けない」と和広さんは自信をのぞかせます。
 新鮮で安い価格の商品を提供する―。このことを貫くため、輝行さんと和広さんは消費税が導入されてから価格に消費税を転嫁せずに商売を続けてきました。売り上げが伸びていたときは、経営にそれほど響くことはありませんでしたが、規制緩和の影響で周囲に大型店がひしめくようになってから徐々に消費税が負担に。大打撃となったのは06年、川崎駅西口の旧東芝川崎事業所の広大な跡地に大型店がオープンしたことでした。「最高時、1500人いた客数は400人まで激減した。大型店との違いを打ち出すために何が必要かと必死で考えた」と和広さん。日替わりの目玉商品を知らせるため週3回、チラシを400枚ずつ印刷して、レジでの手渡しや新聞折り込みなどでアピールし、夜8時の営業時間が終わってから自家製の漬け物などを作って品ぞろえを豊富にするなど工夫を重ねました。

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「消費税につぶされてたまるか」とこぶしを上げる大場さん一家と民商の仲間(前列右が輝行さん、その左が和広さん)

 商売継続へ決意新たに
 さらに昼間は高齢者や小さい子どもがいる個人宅、保育園、障害者施設に配達。地域に根差した店だからこそできるきめ細かな対応に徹し、早朝から夜遅くまで働き続けました。それでも思うように利益は上がらず、輝行さんは給料が取れないばかりか、税金や社会保険料の納付が滞るようになり、努力や工夫は限界に達しました。「このままでは商売は続けられない」。和広さんは昨年11月、消費税の転嫁を決断しました。
 「中小業者が消費税にどれだけ苦しめられてきたか、安倍首相は分かっていない。消費税は赤字でも転嫁できなくても払わなければならない。税率アップは許せない」と和広さん。価格表示を外税方式に変えるため、怒りを込めてポップを書き直しながら、今後のことを考えました。
 「8%がどれだけ売り上げに影響するか予想できない。子どもたちがやりがいを持ってこの店を継げるように経営を見直しながら何としても店を継承させたい。そのためにも税率を5%に戻したい」

全国商工新聞(2014年4月14日付)
 

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