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  トップページ > 活動のページ > 全国商工新聞 第3234号10月3日付
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全商連も加盟する全中連が8省庁と交渉を実施

消費税10%中止中小業者支援など 切実な要求実現へ
 全国中小業者団体連絡会(全中連)は9月16日、財務省をはじめ8省庁と交渉を行い、全国から約130人が参加しました。消費税10%増税中止と5%への引き下げ、地域を支える小規模事業者の抜本的支援、徴収行政の横暴の是正、重過ぎる国民健康保険料(税)や社会保険料の負担軽減と強権的な滞納徴収の是正、TPP(環太平洋連携協定)批准阻止など、中小業者の切実な要求実現を迫りました。

●<スナックの取り締まり>
 「都道府県警を指導」風営法の適正運用迫る=警察庁

 「免税業者の影響把握」インボイス実施するな=財務省
 スナック経営者らが「いきなり十数人もの警察官が立ち入り、罰金を100万円、200万円と科している」と実態を告発し、(1)国会付帯決議を踏まえ、スナックへの過度な取り締まりをやめること(2)「お酌や談笑」など風俗営業とは関係のない行為を取り締まりの対象から除外し、警察庁が定めた接待の「解釈運用基準」を改正すること―を求めました。
 生活安全局保安課の担当は「スナックが風営法の対象というのではなく、接待をする営業が風営法の対象。スナックをつぶそうと思ってやっているわけではない」「原則として厳正な指導を行い、それに従わない場合に罰則を適用する」「行き過ぎた対応で基本的人権を侵害することのないよう(都道府県警を)指導したい」と回答しました。
 接待行為については「水割りを作るがその場を立ち去る、世間話をする、特定の客の近くにいなくて一般の客にカラオケを歌うよう働きかける、拍手をする、カラオケを選曲し歌の準備をするなどは接待に当たらない」と述べました。

●<中小企業支援>
 「小規模枠検討する」補助金の運用改善求め=経産省・中企庁

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経産省・中企庁交渉でグループ補助の延長を求める熊本の代表(右から3人目)

 「小規模企業振興基本法」に基づく、小規模事業者への経営存続への支援として、ものづくり補助金、小規模事業者持続化補助金(持続化補助金)の継続や運用改善、さらに熊本地震対応の拡充などを交渉しました。
 持続化補助金について、中小企業庁は「28年度補正予算で120億円の積み増しをお願いしている。申請に必要な書類は最低限にと考えている」と述べました。
 また、補助金の対象に大企業や中堅企業が含まれていることや、採択の公平性や透明性についての要望に対しては「小規模事業者枠を設けることを検討していきたい。また、採択の上では、審査基準を設定し点数化を行い公平性を図ってきているので、その結果を公表し透明化を図ることも検討していく」と約束しました。
 熊本地震関連では、グループ補助金の「工事が事業年度に完了しない」(中華料理店)との声に、「実情を見ながら柔軟に対応したい」と述べ、「区画整理等が進まず、まだ申請したくても申請できない」(文房具店)という声には、「施設復旧補助金は補正予算でも追加し、漏れる業者が出ないようしたい」と述べました。
 「大分も対象に」という要望についても「被災業者が置き去りにならないようにしていきたい」と回答しました。

●<建設業の社保加入>
 「許可の要件でない」法定福利費の実態把握など要望=国交省

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小規模企業が社会保険に加入できるよう法定福利費の保障を求めた国交省交渉

 下請け事業者への支払い労務単価の実績を業種別、県別に公表することや小規模企業が社会保険に加入できるように法定福利費が元請けから確実に保障されるように指導し、実態を把握すること、社会保険加入対象外の下請け業者や一人親方への加入強要をやめることなどを要望しました。
 「社会保険加入は建設業許可の要件でない。許可更新や変更届などの書類は、未加入を理由に不受理にすることはない」と答えました。
 労務単価については「賃金上昇が労務単価に反映するように業界団体に申し伝える」と答えるにとどまり、「労務単価の実績は公表しない」と要求に背を向けました。
 法定福利費の確保については下請け業者まで浸透していないことを認めたものの、来年4月から未加入者を現場から排除しようとする姿勢は崩しませんでした。
 参加者は「単価が低過ぎて社会保険に加入したくても加入できない。未加入者を排除すべきではない」「単価は15年前から変わっていない。国は下請け業者が法定福利費を確保できるように本気で元請けを指導しているのか」と抗議しました。

●<中小企業金融>
 「円滑な金融に努める」部分保証問題など要求=金融庁

 金融円滑化法の期限後も「中小企業への円滑な資金供給や貸付条件の変更などに努めるよう促している」と回答。また、経営支援についても「コンサルティング機能の発揮を通じて、経営改善に向けた取り組みを最大限支援する」と答えました。金融機関の貸し渋りにつながる信用保証制度の部分保証拡大については「中小企業庁とも議論を進めている」と答えるにとどまりました。
 金融機関が自らのリスクを避けるために保証会社を使って高利のフリーローンをあっせんしている問題では、埼玉、茨城の参加者が「運転資金を申し込むたびにフリーローンをあっせんされ、経営が圧迫されている」と告発。「地域経済の要として役割を果たすよう金融庁として指導を」と強く迫りました。

●<確定申告など税務書類>
 「不利益や罰則ない」マイナンバーが不記載でも=国税庁

 来年から個人事業主の確定申告などの税務書類にマイナンバー(共通番号)記載を強要されることが懸念される中で、不記載でも書類を受け取ることや不利益な処分をしないことを要求。「記載がないことをもって書類の収受をしないことはない。税法上、不記載による罰則もない」と回答しました。
 国税通則法74条の9で定められた事前通知の徹底と税務署長名による文書での実施を要望したことに対し、法的根拠を示さず「(文書は)法律による規定はなく、従来どおり電話で行う」と回答。参加者は、電話での事前通知は予測不可能であり、適正・正確に通知されることが困難だと抗議しました。
 一括納付が困難な場合、画一的な滞納整理を行わず積極的に納税緩和措置を適用することを求めたことに対し、「個々の実情を把握した上で、納税緩和の要件に当てはまる場合は、適切に対応する」とし、申請の際の添付書類についても「納税者が作成した書類でも構わない」と述べました。参加者から、納付能力調査の前に取引先に反面調査をされたなど不当事例を告発しました。

●<マイナンバーの利用範囲の拡大>
 「事務連絡で対応要請」徴収行政の実態告発=総務省

 マイナンバー(共通番号)の情報流失やトラブルが相次ぐ中、利用範囲の拡大を中止することや制度の廃止、徴収行政の改善などを要望しました。
 マイナンバーカードを使い、民間企業のポイントサービスなどとの連携が検討されていることについて「マイナンバー情報とは別のICカード領域を使用するもの。情報領域が破られないよう細心の注意を払っている」と回答。参加者は「民間活用が広がれば情報漏えいのリスクが高まる」と指摘し、直ちに検討を中止するよう求めました。
 徴収行政については「納税者に対して威圧的な対応をしている自治体があることは承知している。生活困窮者には実情に則した対応が求められ、昨年に続き事務連絡を行った」と回答。
 参加者は「担当者から“税金を払わない者は犯罪者”と言われた」(さいたま市)、「悪質滞納とは違うのに、有無を言わせず差し押さえ」(神奈川)など、現場の実態を伝え、改善を求めました。
 また、今年度から住民税の特別徴収が実質的に義務化されていることに対し、小規模な事業者に過大な事務負担を負わせぬよう要望しました。

●<社保・国保の徴収問題>
 「執行停止を含め検討」滞納者に適切な対応を=厚労省

 保険局国民健康保険課は「生活を著しく窮迫させる恐れがある場合、滞納処分の執行停止も含め適切に対応する」と回答しました。
 社会保険料の徴収について、年金局事業管理課は「納付困難な場合、事業者の経営状況などを聞きながら、納付猶予や計画的な分割納付など丁寧に対応する」と回答。日本年金機構は「納付相談には事業主側の実情を十分聞き取りながら丁寧に対応し、納付困難との申し出があれば、法令等に基づき適切に対応するよう指導している」と回答しました。
 マイナンバーの取り扱いについて、労働基準局労働保険徴収課は「労働保険事務組合が取り扱わないことによる罰則規定はない。委託契約している人が提出しなくても事務組合に罰則はない」と言明しました。
 参加者から「さいたま市の債権回収課が58歳のクリーニング業者に国保税の一括納付を迫り、自己破産の免責決定が下りる1カ月前に自殺した」(岩槻民商)、「『社会保険料を払えないならすぐにでも差し押さえする』と怒鳴りながら恫喝。納付の猶予申請を受理しない」(帯広民商)など、「丁寧な対応」とかけ離れた現場の実情が出され、交渉終了後、個別に是正を求めました。

●<消費税問題>
 「免税業者の影響把握」インボイス実施するな=財務省

 消費税10%への税率引き上げ中止、応能負担原則の徹底、軽減税率導入・インボイス(適格請求書等保存方式)制度は実施しないこと―などを要請。
 特に、消費税10%増税時に導入される軽減税率・インボイス制度で膨大な実務負担が増える問題について、「営業の実情を調査し、再検討を」と要望。担当者は「現金商売の業者への配慮や、インボイスを発行できない免税業者への影響をつかんでいきたい」と答えました。

全国商工新聞(2016年10月3日付)
   

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