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はじめに
「大企業・大銀行支援をまだ続けるのか」「これだけ利益が減っては削るものは命しかない」。7年間におよぶ不況で、怒りと悩みのない中小業者はいないのが実態です。倒産・廃業、そして経営難、精神的苦痛での健康破壊など、「政治不況」による被害者は増えるばかりです。
一方、主な大企業は企業収益をバブル崩壊以前の水準に回復させ、ためこみ利益(内部留保)を増やし続けており、中小企業との格差はひろがる一方です。大企業の収益向上の中味は、海外での生産・売上げ増と国内での生産縮小、それにともなう発注減や人減らしです。このような自らの企業利益しか考えない大企業の行動が景気を冷えこませています。大企業が栄えても景気は良くならないことがはっきりしました。
政府が、バブル崩壊以後、6度にわたっておこなってきた総額64兆3200億円にものぼる景気対策は、大企業、大手ゼネコンが潤う景気対策であったこともはっきりしました。これまで、「いろいろあっても景気を良くするのは自民党だ」と考えていた業者も、「景気対策は自民党という神話も崩壊した」という声に変わってきました。
アメリカに顔を向け、大型プロジェクト優先の政策を繰り返すばかりか、さらに、もっと露骨な大企業・大銀行支援の橋本内閣の経済対策では、景気は悪くなるばかりです。
生産額や販売額、事業者数、従業員数などでわが国全体の過半数を占める中小企業・中小業者の活性化こそ、国民本位の景気対策のキメ手です。
私たちは、92年以降、国民のふところを豊かにし、中小企業・中小業者を活性化させる、真の景気回復の提言をたびたびおこなってきました。
また、不況を打開する経営革新の努力も強めてきました。
このような経過を踏まえて、現在の事態を打開するために、政府の対策を抜本的に転換・変更すること、中小企業・中小業者がその技術や技能などの力を発揮することをはじめとして、中小業者・国民の共同の力でこの経営危機を打開する緊急対策を提言します。
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一、銀行支援に30兆円税金投入は撤回を
二、中小業者・国民本位の景気対策へ6つの緊急対策
1.国民のふところを豊かにし、個人消費の拡大を
2.不況打開へがんばる中小業者向け金融の大幅改善
3.商店街・中小企業の振興へ大手小売業の規制法を
4.地域産業支援などを重点に中小業者の仕事を増やす
5.休業補償制度をいまこそ
6.地元産業振興で働く場をひろげ、住民のくらしまもる自治体へ
三、中小業者・国民の共同こそ経営危機打開の確実な力
1.中小企業・中小業者の役割の発揮
2.経営努力を国民と共に
むすび
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