どうなる複数税率・インボイスの実務(2)

全国商工新聞 第3378号2019年9月23日付

領収書、請求書の記載は

 複数税率が導入されると、8%税率の対象となる食料品等以外の商売をしている事業者は、税率を現在の8%から10%に変更しなければなりません。売り上げをレジスターで管理している場合、税率の設定ができるものでしたら10%へ切り替えをするだけで大丈夫です。
 また、手書きの領収書を発行しても問題ありません。レジスターであっても手書きであっても、2023年9月までは、領収書や請求書には今までの記載に加え、区分された商品(税込)金額の記載をすればよいことになります。
 レジスターの切り替えが必要なのかについてですが、政府は盛んに「買い替えのチャンスです」といってレジスターの販売をあおっています。制度としては最大20万円(購入価格の4分の3が限度)が補助金として給付されることになっています。

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 補助金があるのをいいことに、高いレジスターを売りつける業者も見られ、勧誘の電話も後を絶ちません。レジスターの切り替えが進んでいないとの報道がありますが、売り上げについて8%税率商品を扱わない事業者が自分の事業にとってレジスターの買い替えが本当に必要なのか、政府のあおりに惑わされず、よく考えていることの表れだと思います。
 一方で、食料品と雑貨などを販売する小売店は、販売商品の税率が異なりますから、計算を間違わないように工夫することが必要になります。
 最後に、製造業や販売業、建築、サービスの事業者は、先ほど書いたように今までの請求書や領収書を大きく変更する必要はありませんから、慌てて新しい請求書や領収書を準備する必要はありません。

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・どうなる複数税率・インボイスの実務(1)税率を区分して記帳
・どうなる複数税率・インボイスの実務(3)領収書、請求書の記載は

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