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  トップページ > 税金のページ > 許すな!国税通則法改悪 > 全国商工新聞 第2964号 2月28日付

税金 許すな!国税通則法改悪
 

国税通則法改悪反対 シンポジウムに57団体300人

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300人の参加で納税者の権利憲章のあり方を明らかにしたシンポジウム

 全国商工団体連合会(全商連)は16日、衆議院議員会館で「納税者主人公の権利憲章の制定を求める」シンポジウムを開催しました。消費税増税を狙う菅内閣は、徴税強化を図る国税通則法改悪や法人税5%減税などを盛り込んだ「所得税法等の一部を改正する法律案」の一括成立をめざしており、情勢は緊迫。改悪を許すなと、57団体300人を超える参加者は納税者の権利を守るたたかいに決意を新たにしました。シンポジウムに先立つ議員要請行動では、「国税通則法の改悪に反対する請願」など約30万人分の署名を提出しました。

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全商連の「憲章」(第2次案)を説明する鎌田副会長

 シンポジウムは税理士、労働者、開業医など13団体が協賛。旺盛な申し入れ活動で共同を広げる中での開催となりました。
 全商連の西村冨佐多副会長のあいさつに続き、鎌田保副会長が全商連が昨年11月に発表した「納税者の権利憲章」(第2次案)を説明しました。
 その後、3人のシンポジストが報告しました。

3氏が報告

シンポジスト
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改悪国税通則法の問題点を指摘する湖東弁護士
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納税者の権利を守ってきた運動の意義を述べる関本弁護士
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憲法理念に則った納税者の権利憲章制定を求める鶴見弁護士

 湖東京至税理士は、政府が国税通則法を改悪して制定する「納税者権利憲章」は納税者の義務ばかりが明記されており、「これでは納税者義務法だ」と強調。帳簿等の提出強要、反面調査や修正申告勧奨の法定化といった税務調査手続きなどの問題点を指摘しました。

国税通則法改悪で強権的な税務調査を「合法化」

 関本秀治税理士は、1962年の制定後、3回の見直しを経てきた国税通則法の歴史を振り返り、改悪を許さなかった全商連など広範な納税者の運動の意義を評価。「50年の歳月を経て、制定当時に積み残した徴税権限の強化を納税者権利憲章という隠れみのを使って一気に立法しようという国税庁の野望が露骨に示されている」と警告しました。
 鶴見祐策弁護士は、憲法が規定する「租税法律主義」について解説。不当な税務調査に対峙し、裁判闘争を展開した民商・全商連運動の成果にも触れながら、「今回の改悪は、納税者の権利擁護の基本理念が皆無であり、憲法前文にある国民信頼の理念にのっとって法整備をするべきだ」と訴えました。

各分野から発言
 人権を侵害する不当な税務行政の実態告発(別項)の後、各分野から代表発言。
 「税理士への税務署の下請け化が強められ危険」(税理士)、「自殺者が出るなど地方税徴収の実態はむごい。人権を守る税徴収の法整備を」(自治体職員)、「全国組織が改悪反対の見解を出すことを決定した」(建築組合)、「税務調査でカルテの持ち帰りが正当化されれば、患者のプライバシーが守れない」(開業医団体)、「TPP(環太平洋経済連携協定)は農民や地域経済にとって死活問題。生き残りをかけ、徴税強化反対のたたかいにも連帯する」(農民組合)、「社会保険料の強権的徴収など制度欠陥が社会問題に。社保庁職員525人を解雇しておきながら政府の責任が問われないのは不当」(厚労省関係労働組合)など、幅広い市民団体や労働組合などから、連帯あいさつや決意が述べられ、場内は大きな拍手に包まれました。

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佐々木議員(右)に署名を手渡す京商連の西村さん

30万署名を提出
 日本共産党の佐々木憲昭衆院議員が「消費税増税は公約違反。法人税減税よりも家計を温めるべき」と国会で首相を追及したとあいさつ。92年に発表した「納税者憲章(草案)」の制定に尽力したことを紹介しながら「シンポジウムが納税者の権利獲得へ発展するのろしとなるように全力を尽くす」と激励。京都府商工団体連合会の西村英弥副会長が署名を手渡しました。


<別項>

ひどい権利侵害の実態

寝室までのぞく人権無視
 08年11月、中華料理店を営むSさんの自宅に、2人の福岡税務署員が突然訪問。承諾なしに強引に上がり込み、寝室や子ども部屋までのぞき、台所の引き出しなどを勝手に開ける。その後、店にも臨場し、勝手に引き出しや収納庫を開け、お客さんが来てもやめずに、数日間分の伝票を持ち去る。

いきなり1500万円の追徴課税
 10年11月、生花店に3人の滋賀・大津税務署員が突然訪問。その場では何も調べず、1500万円の追徴課税を迫る。本人の承諾なしに得意先や銀行を反面調査し、売り上げは仕入れの3倍と推計。消費税の仕入税額控除を否認し、所得税は生活費から逆算するなど不当な推計課税であった。「仕入れた花が全部売れたとの推計は不当だ」と抗議し、追徴130万円まで減額させる。

知っていますか?こんなにひどい税務行政
知っていますか?
こんなにひどい税務行政

売掛金差し押さえで倒産の危機
 東京国税局は11年1月、所得税、消費税など1700万円の滞納を理由に、北区で鮮魚店を営む業者の売掛金670万円を差し押さえ。このままでは廃業、従業員の給料も払えなくなる事態となり、国税局や国税庁に納税の意思を示して差し押さえ解除を求めた。しかし、国税局は滞納しているだけで悪質とみなし、即日300万円の納税など厳しい条件を迫り、解除を拒否。

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