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確定申告のワンポイントアドバイス 「収支内訳書」とは 罰則のない「訓示規定」 |
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▽収支内訳書とは
不動産所得、事業所得または山林所得を有する青色申告者以外の白色申告者が確定申告する場合に、確定申告書に添付する書類のことを収支内訳書といいます。
これには上記の所得金額の計算の元となった総収入金額と必要経費を記載することが、所得税法120条に規定されています。84年の所得税・国税通則法の改悪で設けられました。しかし全商連など中小商工業者の反対運動により罰則のない「訓示規定」となりました。同時に参議院大蔵委員会では「記帳・記録保存及び確定申告書に添付する書面制度等に関しては、その内容方式等について納税者に過大な負担となることがないよう十分留意するとともに、適正な運用に努めること」と「付帯決議」もなされています。
ですから細かい収入や経費の区分ができていなくとも大丈夫です。また、未提出者により不利な取扱いをされることもありません。このことはこの間各地での税務署交渉のなかでも明らかになっています。
▽提出督促の狙い
にもかかわらず収支内訳の提出督促が頻繁に起こっています。
収支内訳書は「大型間接税とは全く関係のない問題」(84年竹下大蔵大臣答弁)ということですが、税務当局はこの答弁に反して白色申告者の売り上げを把握することで、消費税の納税義務者を把握しようとしています。また、所得税や消費税の納税金額の計算根拠として、収支内訳書をとりわけ重視しているのです。
ですから、提出するのかしないのか、また提出するとしても、どこまで記載するのかよく検討して下さい。
▽自主申告を原則に
班会議などで「自主計算パンフレット」(全商連発行)に基づき学習し、その上で収支内訳書の提出や内容について仲間と理解を深め合いましょう。
(税理士 林 明)
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