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  トップページ > 税金のページ > 徴税攻勢 > 全国商工新聞 第2895号 9月14日付
 
税金 徴税攻勢
 

自宅差し押さえ解除、融資を実現=福岡

 「最後まであきらめずに頑張ってよかった。これで安心して仕事が続けられる」と喜ぶ福岡・宗像古賀民主商工会(民商)のNさん=塗装。このほど、税務署による自宅の差し押さえを解除させ、緊急保証で融資を実現しました。納税緩和措置を活用して仲間と力を合わせた成果です。


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自宅の差し押さえを解除させ、緊急保証で融資を実現して喜ぶNさんと民商の仲間(右から2人目が高橋会長)
 Nさんは数年前から仕事が減少し、08年はさらに激減。税金を分納で払ってきましたが、昨年3月末までに国税約268万円、地方税約280万円が滞納となりました。分納計画を提出しましたが実行できず、香椎税務署に自宅を差し押さえられました。

融資断られて
 長期安定化資金などの返済額が月に約36万円あり、資金繰りに困ったNさんは、商売と生活を立て直そうと今年4月に保証協会へ緊急融資の保証を申し込みましたが、自宅が税務署に差し押さえられていることを理由に断られました。
 融資を受けるには、差し押さえを解除するしかないと考えたNさんは5月、民商会長の高橋毅さん=生花店=、事務局長らと打ち合わせをし、税務署と交渉。納税の猶予を申請し、6月には納税の猶予許可通知書を手にしました。
 また、2000万円以上の不動産を差し押さえるのは、国税徴収法第48条の「超過差押の禁止」に違反すると指摘し、差し押さえ解除を求めました。

国税徴収法第48条
(超過差押及び無益な差押の禁止)
 国税を徴収するために必要な財産以外の財産は、差し押えることができない。
 差し押えることができる財産の価額がその差押に係る滞納処分費及び徴収すべき国税に先だつ他の国税、地方税その他の債権の金額の合計額をこえる見込がないときは、その財産は、差し押えることができない。


解除通知が届く
 税務署は「納税の猶予はしても解除はできない」と強硬な態度。Nさんは「このままでは事業が続けられない。分納計画を実行できるように解除してほしい」と一生懸命に訴えました。すると「解除すれば、融資が受けられて事業が軌道に乗るのか」と耳を傾けるようになり、7月7日付で「差押解除通知書」が届きました。
 このころ、全国商工新聞に掲載された大阪・泉南民商の「差し押さえ解除、緊急融資を実現」の記事を見たNさんは「自分のことが書いてある」と大いに励まされました。

地方税も猶予に
 地方税は「国税が差し押さえしているのなら、こちらも参加差押をする」と強気でしたが、「納税の猶予許可通知書」を見せると宗像市税務課の対応も変化し、7月1日には「換価の猶予通知書」が出されました。

協会も検討約束
 最初は融資の受け付けを渋っていた銀行も、「緊急保証の趣旨を守れ」の抗議で「書類は保証協会に上げます」と回答。「返済が4カ月遅れており、とても保証できない」と回答した保証協会も「融資が確実なら税務署も解除の方向。資金繰りができれば返済も事業も軌道に乗る」とのNさんの訴えに検討を約束。7月13日に保証協会から「400万円の申し込みだが、前回の残額も一括返済できるように保証料など含めて650万円にしませんか」と増額の提案があり、ついに融資が実行されました。
 「民商の支援のおかげ。自分の経験が後に続く人のために役立ってほしい」と喜ぶNさん。高橋会長は「全国商工新聞の情報を活用して、全国の経験から学べたことが役に立った。Nさんの仕事を続けたいという熱意が税務署や保証協会を動かす結果となった」と話しています。
   
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