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  トップページ > 税金のページ > 地方税 > 全国商工新聞 第2926号 5月17日付
 
税金 地方税
 

日用品まで差し押さえ=滞納処分の実例

 「タオルセット」「茶碗」「腕時計」がそれぞれ100円‐バーゲンセールではありません。自治体が税金滞納者から差し押さえた物品を販売する「公売会」、インターネットオークション「ネット公売」の物件です。食料品から日用品まで身ぐるみはがすような差し押さえ処分を受けた納税者は「これでは生きていけない」と悲鳴をあげ、自ら命を絶つ事例も。地方税の徴収現場で何が起きているのでしょうか。

 石けんからうどん、タオルまで
  身ぐるみはがし「公売」 納税者「生きてはいけぬ」

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昨年10月に開催された熊本県内の3市町村合同公売会のチラシ

 熊本県のある自治体に住むHさんは昨年7月、徴税吏員を名乗る8人の自治体職員が突然自宅に現れ、「捜索する」と宣言されました。
 車はタイヤロックされ動かせない状態に。家の中では、Hさんの目の前で、小銭からサランラップ、石けんなどの日用品、うどんなどの食料品まで、次から次へと100種類以上の物品を段ボールに詰め込まれました。
 訳も分からずあ然とするHさんに「差押調書謄本」という差し押さえリストを差し出す自治体職員。差し押さえられた物品はその場で運び出されました。
 Hさんは、勤めていた会社が経営不振となり、給料が激減。住宅ローンなども抱えており、4年ほど前から固定資産税と住民税が払えなくなり、約100万円が滞納となりました。度々役所を訪れ、分納の相談をし、納税の意思を示していました。
 「月3万円を納める約束は厳しかった。それでも生活に必要なものまで突然差し押さえるなんて……」と声を詰まらせるHさん。
 後日、役所に出向き、「払えない。このままでは自殺するしかない」と訴えました。決死の抗議に驚いた自治体は「今後は月1万円を納税してくれれば、これ以上の差し押さえはしない」と約束しました。
 全国の自治体で地方税の強権的な徴収・滞納処分が進む中で、最近は、差し押さえた日用品までも物件にしてしまう「公売会」が頻繁に開催されています。
 美里町など3市町が合同で公売会

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4月に熊本県美里町で開催された公売会の様子

 4月27日に公売会を開催した熊本県美里町(人吉市と御船町も参加)。軽自動車から日用品までさまざまな物件が並び、「玄米」「そうめん」「お茶」など食料品もありました。約100人の参加者があり、見積価格の22万円を上回る34万円の落札がありました。
 「県の地方税徴収特別対策室(今年3月で解散)の指導を受けている」と話すのは美里町税務課の職員。日用品などの差し押さえについて、「町民の生活を脅かす差し押さえ処分はしていない。押さえたのはあくまでも余剰分」といいます。
 納税者の了解を得ているのかの問いかけには、「差し押さえには同意をしており、滞納が減って納税者も助かるはず」と言いきりました。
 さらに「売れ残った物件はネットで公売する」と職員。「ネット公売」が日用品の差し押さえを加速させています。
 ネット公売とは、国・県や市などの自治体が税の滞納者から差し押さえた動産や不動産などを法律の規定に基づいて、インターネットを使って広く不特定多数の買受希望者を募り、売却益を滞納解消に充てるものです。
 ネット公売を運営する「ヤフー」のサイトでは、全国で差し押さえられた不動産から家電製品・日用品まで、3000点以上の差し押さえ物件が検索でき、落札すれば購入できます。落札者が、差し押さえ処分を受けた納税者の実情を知ることはありません。  
 一般の差押禁止財産
 国税徴収法第75条では、生活や営業に欠くことができない財産は、差し押さえることができないとしています。
 衣服、寝具、家具、台所用具、畳及び建具、食料及び燃料、業務に欠くことができない器具、実印、仏像、位牌、系譜、日記、勲章、名誉の章票、学習に必要な書籍及び器具 義足その他の身体の補足に供する物、消防用の機械又は器具など

   
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