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  トップページ > 活動のページ > 全中連 > 全国商工新聞 第2869号 3月2日付
 
活動 全中連
 

中企庁など9省庁と交渉・懇談

 「2・12全国中小業者決起大会」では中小企業庁をはじめ9省庁と全国銀行協会、全国地方協会などと交渉・懇談しました。大企業の下請け切りや銀行の貸し渋りなどの実態を告発し改善を迫るとともに、対応を約束させるなどの回答を得ました。また地元国会議員への要請行動では、緊急署名を手渡し、中小業者への支援を求めました。

中企庁
「下請法違反」と対応約束
緊急保証を全業種にと要求

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大企業の下請切りや銀行の貸し渋りなどの監視・指導などを求めた中小企業庁との交渉
 中小企業庁では緊急保証の業種指定を改め、全業種を対象にすることや自動車など大手製造メーカーが下請け切りをしないように「下請中小企業振興法」(下請法)に基づき指導・要請することなどを求めました。
 岡山県美作市のMさんは三菱自動車工業の2次下請けから、部品の生産開始後に突如発注停止を言い渡された上に、納品した部品の代金の返還を求められ、金型も取り上げられた実態を告発。省側は「ひどい案件だ。下請法に違反している。すぐに対応する」と回答しました。
 下請振興基準に基づく指導と単価引き下げについては「買いたたきの監視と指導を強めている。かけこみ寺への相談は1600件あり、昨年11月からは弁護士が無料で相談に応じ、民事裁判にも対応できるようにした」と答えました。
 銀行の貸し渋りについては「金融庁が、返済条件の緩和や借り換えの1本化などに積極的に応じるように要請している」と答えました。
 また、政策金融公庫(旧国金)に7・8%の金利で返済している事例について「金利設定は公庫に委ねられている」としつつも「7・8%は高い」との見解を示しました。
 仕事確保の問題では公共事業の前倒し発注などについて、国土交通省が地方自治体に緊急要請したことを明らかにしました。

国交省
瑕疵担保履行法「適用外」認める
改正建築士法の問題も追及

 国土交通省では瑕疵担保履行法について「建築主が自ら材料代や大工に日当の支払いをする建て方は『請負契約ではない』ので瑕疵担保履行法の適用外」と明言。参加者から「安心した」「よかった」と歓声が上がりました。地方では住宅を新築する手法として伝統的な「常用」がまだ残っており、今回の確認は大きな成果です。
 また、改正建築士法(昨年11月28日施行)により、設備設計を生業とする業者が仕事を奪われることへの救済を求めました。規制以下の物件まで大手が仕事を独占するような事態については、「対応していく」と回答。大規模工事の改修に伴う設備工事で確認申請の必要のあるものは従来どおり印鑑は必要がないことを認めました。
 参加者は地域建設業者の仕事確保のため、公共工事の前倒し発注、ダンピング防止策、「公共工事設計労務単価」(2省協定賃金)の見直しと木造住宅関連予算の増額を要望。「地域住宅交付金」などを増額することを明らかにしました。

金融庁
円滑な資金提供図る 貸し渋りへの指導要請
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貸し渋りの是正などを求めた金融庁との交渉
 金融庁では、中小企業金融の円滑化、金融機関の貸し渋り是正の指導を要求。「中小企業の厳しい状況は認識しており、円滑化は重要なテーマと位置づけている。金融機関に円滑な資金供給を要請した」と回答。
 また、返済猶予や条件変更に柔軟な対応ができるように「検査マニュアル別冊」の踏み込んだ改定を求めたことに対し、金融庁作製の改定内容を知らせるパンフレットを示しながら「条件変更がしやすくなったことを紹介する説明会を、この間470回開き周知徹底している」と述べました。
 参加者は「緊急保証制度の趣旨に反する貸し渋りが後を絶たない」「特定調停を申請しているにもかかわらず、一括返済を迫られた」「検査マニュアル別冊の内容のような審査にはなっていない」などの事例を告発。指導を求めると、「個別案件の仲介はできないが、説明責任を果たさないなど落ち度があれば、すぐに是正させる」と、対応を約束しました。

法務省
不当な債権回収問題 調査を約束
債務者保護の法整備を

 法務省では、金融サービサーの過酷な回収実態の把握を要望。債権管理回収業に関する業務範囲の拡大をやめるよう求めるとともに債権売買価格の開示や連帯保証人に対する回収禁止などの法整備を要請しました。
 債務が東京債権回収会社に譲渡され、4年たって突然売却を迫られているYさんは「毎月15万円を遅れもなく返済してきた。一括返済を請求されて支払い明細と残債の資料を要求したが、1回ももらっていない」と一方的な売却の不当性を訴えました。同省審査監督課は「調査し、結果について本人に連絡します」と約束。参加者はサービサーによる商売つぶしの回収業務の不当性を告発し、債務者を保護する法整備を強く要望。同課は「違法性があると思われる事例は持ち込んでほしい」と回答しました。

保証協会
業者の実態で判断
スナック等の緊急保証に道

 全国信用保証協会連合会では、各地でスナック等への緊急保証が認められない問題について「風営法の登録業者であるか否かで判断せず、各協会に実態を見て判断するよう伝えたい」と回答しました。
 参加者は緊急保証制度で積極的に与信すること、「償還可能性」についても中小企業の現状に配慮した判断を行うこと、既往債務の返済猶予や条件緩和を柔軟に行うことなどを要望。審査が金融機関主導とならないようにとの申し入れに「協会の見地で保証決定する」と応じました。
 中小業者に配慮した保証判断を求めると「景気を見ながら行うのは当然。緊急保証の承諾件数は13万件と07年12月の約29倍」と回答。「学術書印刷営業で緊急保証を申し入れたが『もう1期様子をみる』と言われた」件について、現地協会に電話を入れることを約束し、現段階の決算資料を出して決定を促すことも助言しました。

全銀協
貸出増へ対応も 融資の拡大求める
 全国銀行協会では、中小企業者への貸し渋り防止や、経済状況に配慮した支払猶予・返済期限延長への柔軟な対応、貸出金利の引き下げ、安易なサービサーへの債権譲渡はしないことなどを要望。「検査マニュアルを見直して貸しやすくし、返済期間延長もしている。債務回収のサービサーへの移行は経営上の措置」と回答しました。
 債務者が特定調停を申し入れただけで債権をサービサーに譲渡し、無理やり貸しはがしをしたスター銀行の事例を説明すると「認知していなかった」として、検討部会で話し合うことを約束しました。
 また、保証協会が保証承諾しても銀行が融資しない件についてただすと「保証協会に決定の基準があるように、銀行にも融資決定の条件がある。保証協会が認めても、われわれが認めないことはある」と回答。銀行の貸し渋りを正当化しました。
 参加者は「政府が保証枠を拡大しているのだから融資を拡大してほしい」と要請。
 加盟銀行に、融資を拒否した理由について説明する体制整備を求める通知を出したことを明らかにしました。

国税庁
法令則し対応 滞納処分問題に
 国税庁では「滞納処分については、個々の実情に基づいて法令に則して適切に対応。まず実情を相談する」「税務調査は『税務運営方針』に定められた通り行われる」などの原則を改めて確認。その上で、原則を逸脱した不当な税務行政の現状について、参加者が実態を告発し、是正を求めて請願書を提出しました。
 「『納税の猶予』申請の受け取りを拒否した」事例では、「書類を提示し、意思表示をしていただく」ことで、申請を受けるのが原則と認めざるを得ませんでした。
 違法な実態の告発について、対応した長官官房総務課調整室の向川茂弘課長補佐が「関係各課を通じて局・署に伝える」ことを約束しました。

警察庁
新駐禁柔軟に 不当な処分改善を
 警察庁との交渉では、駐車規制および駐車許可制度の柔軟な運用を重ねて求めるとともに、違反車両に「車両の使用制限」など営業権を奪う罰則を課せられる問題について実態を示し、改善を求めました。
 交渉に参加した埼玉県川口市のAさん=運送=は、6カ月間に「4回の違反」が重なったため埼玉県公安委員会より道交法75条の2第2項による「40日間の車両の使用制限」の処分を受けました。
 Aさんは家電製品を配送していますが、近くにパーキングや駐車場がない家庭も少なくありません。交番に許可証の交付を求めに行っても「そんなものはない」などと言われ、やむなく違反が重なりました。「警察は周知の不十分さを認めているにもかかわらず、聴聞でも事情が認められなかった。採算上、3人体制などはとてもとれない。営業の存続を覆す」と改善を求めました。
 これに対し、同庁は「警察署での発行については警視庁も伝える。不当な処分にならないようにしたい」と述べました。

総務省
強健徴収に抗議 差押禁止財産ただす
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総務省に要請する参加者(左から3人目は全商連の西村副会長)
 総務省では、自治体の徴収行政が強権化していることに抗議し、納税者の権利を守る立場で各自治体に「情報提供」するよう申し入れました。
 「預貯金の差し押さえ」が横行し、児童手当や出産育児一時金など、「差押禁止財産」まで、差し押さえを強行している状況が全国に広がっていることを追及。「差し押さえた後、収納までに差押禁止財産だと分かったら返すこともある」との回答を得ました。
 税の徴収猶予について「事業につき著しい損失」の基準を示すよう求めたのに対し「各地方自治体の条例・規則等で定められている範囲であり、総務省として基準は設けていない」と回答。地方自治体に適切な運用を求める必要が明らかになりました。
 行政不服審査法の改正については「審査請求を充実させる」方向で動いている一方、国税通則法等については「異議申し立て」を「再調査請求」という名称に変更する問題について「個別法の判断」と責任を回避しました。

厚労省
「事情」あれば国保証
政府答弁書の徹底求める

 厚生労働省では、国保問題を追及。「所得200万円で47万円の国保負担となっている」(福岡)、「赤封筒で督促状が発行され、人権問題が起きている」(埼玉)などの実態を訴えました。滞納を理由とした憲法違反の資格証明書などの発行はやめること、国庫負担を45%に戻すことなどを求めました。
 また、中学生以下に限らず、特別な事情がある人への保険証の交付を認めた、日本共産党の小池晃参院議員への「政府答弁書」を自治体に徹底するように求めたことに対しては「すでに県へ送付した」と明言しました。
 雇用問題では「中小企業緊急雇用安定助成金の受け付けを労働局だけでなく、四つの職業安定所に拡大してほしい」(愛知)、「申請書類が煩雑だ。支給時期を早めてほしい」(神奈川)と要望。「受付場所の拡大の検討と申請書類の簡素化を図った」と回答しました。

財務省
法的根拠示せず 「預かり金」追及に
 財務省では消費税率を引き上げないこと、「預かり金」「預かり金的」との説明を撤回することなどを求めました。
 消費税率の引き上げについては「平成23年度までに必用な法制上の措置を講ずる」とする政府方針の説明に終始。一方、「預かり金」問題では「法的根拠を示せ」との参加者の追及に「法律にあるわけではない」「預かり金のようなものという意味」と回答不能に陥りました。
 大企業・大金持ちへの適正課税の求めには、大金持ちに関して「格差、再分配問題での批判は承知している」とし、「(所得税の)最高税率及び給与所得控除の上限の調整」などを税制「改正」法案の「付則」に盛り込んだことを示しました。
 このほか、所得税法第56条の廃止を求め、「毎日、記帳をしっかりしても86万円しか控除が認められない」と家族従業者の実情を訴えました。
   
       
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