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  トップページ > 方針・決議のページ > 主張 > 全国商工新聞 第2875号 4月13日付
 
私たちの主張
 

主張=介護保険制度の改悪を許すな

 厚生労働省は4月から介護保険制度の要介護認定方式の変更をスタートさせました。ところが、新しい認定方式では多数の利用者の要介護度が、これまでより下がることが見込まれています。要介護度が下がれば、介護保険で受けることのできるサービスの内容も減らされます。
 現在でも「保険あって介護なし」といわれる介護保険制度の、さらなる改悪を許すわけにはいきません。要介護認定制度は廃止し、現場の専門家の判断で適切な介護が提供できるようにすべきです。
 今回の認定方式の変更は、「地域によるばらつきを抑える」「事務負担を軽減する」などが理由です。介護サービスが申請された際の調査項目を減らし、調査員のテキストを改定するとともに、たとえば「要介護1」「要支援2」を振り分ける判定をコンピューターに任せるというものです。その結果、認知症関係者が「命にかかわる重要な調査項目」と指摘する「火の不始末」が削除されました。また、いすやベッドに足を下げて「10分程度」座れることが目安だった座位の保持も、どんな姿勢でも「1分程度」座れれば「できる」に分類されてしまいます。
 こうした要介護認定方式の変更で、厚生労働省の不十分な調査でも、これまでと介助の必要性は同じでも、介護度が軽く判定される人が、約2割に上るとの結果も出ています。重大なのは、この認定方式の変更に三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社が中心的に関与していたことです。大銀行シンクタンクが主体となって進めた調査員のテキスト変更検討会は、行政関係者や研究者ばかりを集め、利用者や介護者の代表は一人も入っていませんでした。
 厚生労働省は、新たな調査基準についての見直しを公表しました。しかし、見直しはごく一部で、調査結果がその人の実情と乖離する結果となる「基準」はたくさん残されています。民商・全商連は、「給付の効率化、重点化」はやめ、介護を必要とする国民・中小業者すべてに行き届いた介護を供給するように求めるなど、介護保険制度改善を求めて運動を強めてきました。
 利用者や介護者の声も聞かないまま、政府・大企業主導の認定方式の変更は直ちに中止するのが当然です。同時にその背景にある社会保障予算の削減路線を根本から改めることが求められています。
   
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