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  トップページ > 方針・決議のページ > 主張 > 全国商工新聞 第2823号 3月24日付
私たちの主張
 
  イージス艦事故の徹底究明を  
   
     海上自衛隊のイージス艦「あたご」が、マグロはえ縄漁船「清徳丸」に衝突・沈没させた事故は、いまだ原因の糸口さえ見えていません。政府・防衛省は、情報の隠ぺいをやめ、本当の原因を究明して、国民の前に公表すべきです。
  事故の経過や原因をめぐる防衛省の説明は、二転三転し、「捜査に支障が出る」ことを理由に、必要な情報を開示するという姿勢はみられません。その根底には、日米軍事同盟に基づく軍事優先の体質があります。
  当初、漁船を発見したのは「2分前」だと言っていたものを、後になって「12分前」に変えました。12分もあれば「あたご」は海上衝突予防法に従って迂回し、衝突を避けることができたはずです。また、事故直後に、護衛艦隊幕僚長が「あたご」に急行し、艦内にいたことも、また、航海長を防衛省に呼び、制服トップクラスと石破防衛相が、別々に事情を聞いていたことも隠していました。
  政府・防衛省は「防衛省改革会議」を設置して、そこでの議論を口実に、原因究明を先送りしようとしています。しかし、国民の血税を1400億円もかけて造られた最新鋭イージス艦が、民間の漁船に衝突し、生命と財産を犠牲にしたという大事件です。「あたご」は「清徳丸」を早期に発見し、事故を回避できたにもかかわらず、なぜ衝突したのか、決定的な疑問です。全商連は事故直後、真相の徹底解明を求める抗議談話を発表しました。
  海上自衛隊には、民間船舶を発見しながら衝突を引き起こした前歴があります。1988年横須賀港東部海域で、浮上航行していた潜水艦「なだしお」は、遊漁船「第1富士丸」に衝突して沈没させ、30人を死亡させる事故を起こしました。
  このときも、遊漁船がいることを知りながら、衝突の回避行動をとらなかったことが原因でした。過去の惨劇を自衛隊が教訓にしているのか疑問を抱かずにはおれません。
  今回の衝突事故が発生した東京湾周辺は、年間数十万隻の船舶が入港する世界有数の超過密水路です。にもかかわらず、東京湾入り口の横須賀には米軍基地があり、米軍・自衛隊の艦船が常駐しています。この過密水路を、軍事優先の論理で軍艦が航行すれば、漁船など民間船舶の安全を守ることはできません。
  真相究明と再発防止策、そして、福田内閣の軍事優先・人命軽視の体質を転換し、米軍・自衛隊の基地撤去が求められています。
 
       
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